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2019年度事業報告書
自 2019年4月1日~至 2020年3月31日
創立100周年にあたり,本会がコミュニケーションの夢とそれによって実現される豊かな未来社会に向けて挑戦し,革新的技術及びイノベーションを継続的に創出する学会として大きく飛躍することを目指し,以下の基本姿勢で活動を進めた.
1.広汎な知が交流する場を作り,新たな学術領域をひらく
2.社会課題の解決に貢献し,新たな社会のビジョンを作成する
3.技術倫理の向上に努め,社会に向けて発信する
本会の事業は,学会全体事業(以下,共通事業という),ソサイエティ及びグループ事業,支部事業の三つに大別されるが,以下のような取組みを行った.
(1)会員サービス及び運営の質の向上
2017年度から,会員サービス向上,学会コンテンツ活用,事務局業務効率化等を実現する学会の情報システム全般の見直しを行い,関連システムの開発,機能拡充を進めてきた.今年度はこの成果を利用した新しいサービスの開始を始め,会員サービスの向上に向けた制度の拡充,運営の質の向上を進めた.主な成果を以下に示す.
①会員向けマイページの提供
会員各種登録情報の確認,変更に加え,各種書類のダウンロード機能(会員証,在会証明書,会費等の請求書,領収書等),Web決済情報管理機能,入金履歴表示等を行えるよう機能性及び利便性の向上したマイページの提供を開始した.
②購読会員サービスの開始
学会の学術成果である各種刊行物,コンテンツを機関や団体に十分活用頂くため,会員種別「特殊員」を「購読会員」と変更した.これにより,ソサイエティ単位での和英論文誌の契約から,全ソサイエティの和文論文誌一括,英文論文誌一括を契約単位とし,特に海外機関の購読の利便性を向上させた.
③プラチナクラブの創設
主に企業の中堅クラス以上(40歳以上)を対象に,経験や歳を重ねた会員の皆様向けの新たな活動体としてプラチナクラブを創設した.見学会・講演会を2度開催した.(3回目は新型コロナウイルスの影響により延期とした.)
④ジュニア会員制度の創設に向けた検討
若い世代に,電子,情報通信系に興味を持ってもらい将来のリーダー育成に貢献することを目的にジュニア会員制度創設を目指し検討を開始した.
⑤維持員サービスの向上
本会の発展の事業維持を支えて頂いている維持員のサービスの見直しを進めた.従来からの毎月発行される会誌の寄贈,学会誌への社員募集の掲載等に加え,大会への参加券提供,大会の附設展示会が一律50%割引を制度化した.また,本会の状況を知って頂くこと,産官学のリーダーの交流の場として,維持員様感謝の集いを次年度から開催することとした.
⑥スマホアプリの活用
会員の利便性を向上することをねらい,会誌アプリで研究会スケジュール配信,大会アプリで総合大会で大会プログラムをスマホコンテンツで提供等,スマホアプリの活用を進めた.
⑦ホームページ,コミュニケーション,パンフレットの改善
2019年10月にデザインを刷新した新ホームページをオープンした.また,2020年1月からグローバルサイトをオープンした.これに伴い,ページビュー数,ユニークユーザ数がこれまでの5~6倍と大幅に伸びた.更にTwitter,Facebookを利用した情報発信,新パンフレットの作成を進めた.
(2)コンテンツの活用とオープンアクセス
①電子情報通信学会ディジタルライブラリ(IEICE Digital Library)のサービスを開始
会誌,和英論文誌,技術研究報告,大会論文,国際会議論文等の約40万件の文献を保管し,共通検索サービスを2019年4月から提供した.これまで4万回を超える利用があり,会員からも非常に好評を得た.
②IEICE Proceeding Seriesのサービス開始
低料金で重要な技術研究のデータを保管,利用し,科学技術の発展に寄与することを目指し,国際会議コンテンツをアーカイブし,全国の大学,研究機関の図書館に公開.54の国際会議,約12,000件の論文を収納し,2019年4月以降約26,000アクセスがあった.古い会議も含め会員からの需要は大きく,拡大に向け国際会議コンテンツWGを設置し推進した.
③論文誌のオープンアクセスとインパクトファクター
2019年1月からオープンアクセスオプション(オープンかクローズかは著者が選択)による運用を開始していたが,2020年1月からISS英文誌(ED)のオープンアクセス化を開始した.また,英文論文誌のインパクトファクター向上に向け,サービス委員会配下にWGを設置し,論文誌のステータス向上に向けた抜本的対策の議論を開始した.
④技術研究報告の完全電子化サービス
既に通信ソサイエティと情報・システムソサイエティでは2018年度から冊子体での発行をなくして完全電子化によるサービスに移行した.他のソサイエティも2019年度に完全電子化に移行を判断し,2020年度から全ソサイエティで完全電子化に移行することとした.
(3)支部事業の活性化に向けた本部支部連携強化施策
大会を利用し,会長,支部会議メンバーによる打ち合わせを実施した.(2019年9月)また,理事会を支部でも実施し,理事会後に理事会メンバー+支部メンバーで拡大幹部会議を実施した.(2月東北支部)本部と支部の良好な意思疎通を図り,これまで懸案であった,支部の抱える課題解決への本部の協力,本部施策の支部への展開,支部間連携等の議論を進めることができた.
(4)府省との対話と他学会との連携
ICT分野では従来の範囲を超えた他分野との連携が重要となってきており,府省や他学会との連携活動を推進した.ソサイエティ大会において,省庁連携企画「Society5.0に向けた日本の科学技術イノベーション振興政策」を実施した.日本機械学会とはシンポジウム,大会における共同企画セッションを実施した.電気学会については強い連携を目指し意見交換を開始し,役員懇談会,大会での共同企画「社会インフラのレジリエンス」を進めた.(新型コロナウイルスの影響で本企画は中止となった.)また,2020年12月号の会誌に連携企画「社会インフラのレジリエンス特集号」を計画した.また,本会の役員と総務省国際戦略局との意見交換会を実施した.
(1)各種会議
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