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宇宙通信新時代の幕開け
小特集 3.
衛星通信と5G/Beyond 5Gの連携の動向と取組み
Current Trends and Activities on Integration of Satellite Communications and 5G/Beyond 5G
abstract
近年の衛星通信技術の進化と5Gのネットワーク技術の展開,並びに3GPPにおける非地上系通信網の標準化の進展により,衛星通信と5G/Beyond 5Gの連携が期待されている.国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)では国内の衛星5G連携に向けた取組みを進め,国内関係機関の参加により「衛星通信と5G/Beyond 5Gの連携に関する検討会」を開催し具体的な検討を実施した.ユースケースとして,5G/Beyond 5G世代の国内の人口動態等の社会状況を踏まえ,スマートシティ,モビリティ,非常災害時対応の三つのカテゴリーに対し有効なシステムの概念検討,有効性,必要な技術,国内で期待されるトライアル,標準化の必要な項目を確認するとともに,将来のBeyond 5Gにおける通信ネットワークについて検討した.
キーワード:衛星通信,5G/Beyond 5G,3GPP,非地上系通信網
第5世代移動通信(5G)のサービスが開始あるいは開始間近となる中,5Gにおける衛星通信の役割が注目されている.欧州では官民共同のプロジェクト(1),(2)が活発に活動しているほか,3GPPにおける5Gの標準化でも衛星との接続が検討されている状況である(3).一方,現在国内では5Gの導入に向けた活動は活発であるが,衛星通信を5Gと連携させたユースケースやそのための技術検討は未着手の状況にある.
上記の状況を受け,国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)では国内の衛星5G連携に向けた取組みを進め,「衛星通信と5G/Beyond 5Gの連携に関する検討会」を開催し具体的な検討を実施し(4),報告書を公開した(5).
本稿では,衛星5G/Beyond 5G連携に関する動向について,文献(6)の内容を基に最新の情報を踏まえ加筆して解説するとともに,国内の取組みについて上記検討会の結果を中心に紹介する.
衛星通信と5Gの連携が期待される背景として以下の三つのモチベーションが考えられる.
(1)衛星通信技術の進化
衛星通信技術が近年進化している.ハイスループット衛星(HTS(用語))や,低軌道(LEO)衛星群によるメガコンステレーション計画の登場により高速大容量化が低コストで実現し,端末も大幅な小形低消費電力化により従来よりも大幅に地上系システムに近づいている.
(2)5Gのネットワーク技術
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