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2020年1月の新型コロナウイルスの発生と国内における感染拡大を受け,世界的に新しい生活様式の導入が余儀なくされた.多くの企業・学校ではリモートワークなどの対応が求められ,全国高専でも臨時休校や遠隔授業などの対応が行われた(図1).全国的な緊急事態宣言発令(4/21)もあり,授業開始を見合わせた高専も多くあった.宣言解除や自粛要請の緩和により6月頃から分散登校など通常状態への移行がなされ,9月からはほとんどの学校で対面授業が再開されている.
全国高専では「学びを止めない,支援を止めない」をスローガンとして,各校の事例報告や情報交換,教材共有システムの活用などが積極的に行われた.会議等による出張の機会は激減し,TV会議システムによる会議が激増した.各校では文化祭や体育祭などの中止がされる中,高専ロボットコンテスト・プログラミングコンテストがオンラインで開催されるなど創意工夫がなされている.
この急激な学習・教育環境の変化にどのように対応したか,筆者らが所属する弓削商船高専の事例(1)を紹介する.
本校は本科3学科(商船学科,電子機械工学科,情報工学科),専攻科(海上輸送システム工学,生産システム工学)から構成される小規模校である.本校がある愛媛県上島町は医療機関が少ない高齢化地域である.全住民の1割を占める465名の学生が全国から集まり学寮で生活していることから,早期再開の理解を得ることが難しく,新学期から9月まで遠隔授業を実施した.
高専にはPC室や学内ネットワークの管理・運営を行う組織(本校では情報処理教育センター,以下センター)が設置されている.センター業務にE-learning支援を含めているところもある.本校では2013年度からE-learning推進のために学習履歴管理システム(LMS: Learning Management System)Moodleを学内に設置し,継続的に運用を行っている.毎年度末に全科目の登録を行い,利用者説明会を実施して普及を図ってきたが,一部の教員・学科に利用が偏っていた.
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