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――構成材料の選択性拡大に向けて――
NHK放送技術研究所(技研)の研究グループは,(株)日本触媒などと共同で有機エレクトロルミネセンス素子(OLED)中の電子注入機構を世界で初めて明らかにした.
OLEDは近年スマートフォンや各種ディスプレイにも使われるなど,身近なものになりつつある.図1(a)に開発初期のOLED構造の模式図を示す.OLEDは陽極から正孔を,陰極から電子を発光層に届けることで電荷が再結合し発光が得られる.Ag(銀)やAl(アルミニウム)など陰極に使われる高導電性材料の仕事関数(WF: Work Function)は4.0eV程度であるのに対し,多くのOLED用発光層材料の電子親和力(EA: Electron Affinity)は2eV程度であるため,約2eV以上の電子注入障壁が存在し陰極から発光層に直接電子を届けることは難しかった.世界中の研究者がこの課題解決に取り組み,WFが約3eVのLi化合物を電子注入層に,電子輸送層として窒素を含む複素環をもつ材料を用いることで,電子を発光層に効率的に届けることができることが見いだされた(図1(b)).
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