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本格的な周波数共用時代の幕開け
小特集 1.
周波数共用とは
Introduction to Spectrum Sharing
Abstract
周波数共用を理解するために必要となる基本原理として,運用パラメータ,許容干渉量,伝搬モデル,離隔距離,資源の時間・周波数・空間的な分割などについて説明する.
キーワード:周波数共用,干渉,伝搬モデル
「電波は『周波数スペクトラム』として時間的,空間的に占有性を有する一種の有限な資源である.」とは,旧郵政省が1974年に初めて刊行した通信白書にも述べられている言葉であるが,電波利用の特徴を簡潔に表している.
現在,第5世代移動通信(5G)が実用化され,研究開発においては第6世代移動通信(6G)に関心が移りつつある.更なる高速化を目指してミリ波帯からテラヘルツ帯へと一層の高周波数化がうたわれている一方で,高速移動や見通し外環境での運用,制御信号の高信頼化などを考えれば,電波伝搬の観点から6GHz以下の周波数が不要となることはなく,更に一層のひっ迫が見込まれる.このため,既に特定の業務に割り当てられている周波数帯域であっても,時間的・空間的に利用可能であれば,より需要の高い他の業務(例えば移動通信)が共用することで,その帯域をより有効に活用することが可能となる.本稿では,このような周波数共用に関する基本的な原理を,総務省における技術的要件の検討のプロセスを参考に説明する.
周波数の割当は国際電気通信連合(ITU: International Telecommunications Union)の管理下にある国際法である無線通信規則(RR: Radio Regulations)に基づいて各国の主管庁が行うものである(1).RRが規定する周波数の割当は,固定,移動,固定衛星,放送,などの運用形態に基づく大くくりなものであるため,個別具体的な業務に対する周波数の割当は,国ごとに異なっている.
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