小特集 4. 動的周波数共用を実現するキー技術

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Vol.104 No.12 (2021/12) 目次へ

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本格的な周波数共用時代の幕開け

小特集 4.

動的周波数共用を実現するキー技術

Key Technologies for Realizing Dynamic Spectrum Sharing

新保宏之 林 高弘 岸 洋司

新保宏之 正員 (株)KDDI総合研究所電波応用グループ

林 高弘 正員 (株)KDDI総合研究所電波・周波数グループ

岸 洋司 正員:シニア会員 (株)KDDI総合研究所次世代インフラ2部門

Hiroyuki SHINBO, Member (Advanced Radio Application Laboratory, KDDI Research, Inc., Fujimino-shi, 356-8502 Japan), Takahiro HAYASHI, Member (Radio and Spectrum Laboratory, KDDI Research, Inc., Fujimino-shi, 356-8502 Japan), and Yoji KISHI, Senior Member (Future Network Infrastructure Division 2, KDDI Research, Inc., Fujimino-shi, 356-8502 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.104 No.12 pp.1228-1233 2021年12月

©電子情報通信学会2021

Abstract

 高度な動的な周波数共用を実現するには,空間軸,時間軸,周波数軸でのキー技術が必要になる.空間軸では,空き周波数リソースを検知するための電波伝搬モデル,電波センサを活用した送信局の位置推定が挙げられる.時間軸では,既存無線システムの保護領域を策定するための干渉計算,計画的な利用のための将来の空き周波数リソース推定,共用周波数の利用者に対する公平・公正な割当が挙げられる.周波数軸では,無線システム間の離隔距離の縮小により周波数利用効率を高めるために,軽度な干渉低減,重度な干渉回避に加えて,限定エリア内のみで共用周波数を利用するための手法がある.本稿では,総務省委託研究によって得られたこれらのキー技術について解説を行う.

キーワード:ダイナミック周波数共用,電波伝搬モデル,干渉計算,干渉低減

1.キーとなる技術の概要

 高度な動的な周波数共用(以降,「ダイナミック周波数共用」)を実現するにあたっては,空間軸,時間軸,周波数軸でのキー技術の検討が必要になる.空間軸に着目すると,ダイナミック周波数共用では,これまでの静的な離隔距離による周波数共用とは異なり,地表のような平面だけでなく,高さ方向の考慮が必要になると考えられる.すなわち,地形や建物を考慮するサイトスペシフィックで,当該周波数が利用されておらず共用が可能な周波数帯域を示す,「空き周波数リソース」の精緻な探知が必要となる.次に,時間軸に着目すると,探知された空き周波数リソースに対して,時間方向で管理するために,移動等によって変化する干渉状況による既存システム保護領域の決定,計画的な利用に向けた将来の空き周波数リソースの推定,多数の利用者に対する公平・公正な空き周波数リソースの割当の技術が必要になる.最後に,周波数軸については,割当を受けた空き周波数リソースをよりちゅう密に利用し,周波数利用効率を向上させるための,干渉低減若しくは回避,及び限定エリア内での空き周波数リソースの活用技術が必要になる.

 本稿では,令和元年度から令和2年度まで実施された,総務省の委託研究「異システム間の周波数共用技術の高度化に関する研究開発」での検討を通して得られた,共用無線システムを第5世代移動通信システム(5Gシステム)とした場合における,図1に示すダイナミック周波数共用のキーとなる技術について,解説を行う.

図1 動的な周波数共用のキー技術概要


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