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解説
COVID-19禍環境における技術利活用に関する分析と考察[Ⅱ]
――防疫システムと市民生活アルゴリズム――
Analysis about Technological Utilization in COVID-19 Pandemic [Ⅱ] : The Epidemic Prevention System and Citizen’s Living Algorithm
A bstract
武漢市をはじめ世界の一部都市で封鎖が行われたことは各国ニュースで大きく取り上げられた.日本でも非常事態宣言に伴い「自粛」「STAY-HOME」といったスローガンを軸に大幅な行動の沈黙が長期にわたり続いており,ここで確立したライフスタイルはNew Normalへの指標になると考えられている.一方で,意外に思われるかもしれないが,上海市では都市封鎖も,一斉自粛もない状況で経済活動と並走しながら感染を収束方向に導いている.第2回ではこういった防疫システムについて,市民生活に求められたアルゴリズム及びそれを支える技術について解説を行う.
キーワード:COVID-19,AI,ICT,接触者追跡,生活サイクル
COVID-19に関しての記事が多々あるが,偏った情報,個人的感情により,懐疑的な観点で読まれる方も一定数いると思われる.本連載では以下の点に細心の注意を払っており,読まれる際においても注意点として念頭に置いて頂きたい.
・本連載における各事項は,公正・中立・客観・定量を軸に記載を行う.
・詳細な情報が明示されていない仕組みについては仮説を示し検証を行うことで考察している.
・可能な限り情報源を示し,公的情報を最優先する一方,伝聞,SNSや噂といったソース不明の報道については排除する.
・筆者の生活圏(住居,勤務先)での実体験報告であるため,市中状況を普遍的に述べたものではない.
・医学的観点は言うに及ばず,防疫観点でのいかなる成否の判断を行わない.
上海市では都市封鎖も一斉自粛も行わなかった.都市封鎖について明確な定義はないが,一般には外部都市との往来と,一般市民の外出を禁止することで,市中ウイルスの漏えいや侵入を防ぐ措置である.
一方で,上海市をはじめとした中国の主な都市は「封閉式管理」が行われている.封閉式管理については日本国総領事館のメッセージ(1)で触れられているが,封鎖と同様に様々な解釈や表現がある.概して類似した内容になっているが,以下に要約する.
封閉式管理概要:
(1)感染地の往来,感染者との接触などの条件に合致しなくても,外出・訪問や移動の制限を受ける.
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