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コミュニケーションロボットの現状
小特集 3.
ソーシャルタッチ
――人とロボットの触れ合いインタラクション――
Social Touch in Human-robot Interaction
Abstract
物理的な存在であるロボットならではの人との関わり合い方として,身体の接触を伴う触れ合いインタラクションが挙げられる.人同士の触れ合いは身体的にも精神的にも様々なメリットをもたらすことが報告されており,ロボットとの触れ合いも同様の良い効果を人にもたらす可能性が示されつつある.本稿では,筆者らが開発を進める布型タッチセンサの概要,ロボットとのソーシャルタッチを伴うインタラクションが人々の印象や行動に与える影響,及びその評価手法等について報告する.
キーワード:ソーシャルタッチ,ヒューマンロボットインタラクション,タッチセンサ
新型コロナウイルスによるパンデミックの影響下では,感染症対策の観点から他人との物理的な空間におけるインタラクションが制限されており,身体的な触れ合いそのものが困難になりつつある.そのような状況下において,安全性の観点から,物理的な身体を持つロボットが人間の代わりに移動を伴う運搬作業や消毒作業といった仕事を担いつつある.
そのような安全性を確保するための物理的なタスク代替のみならず,ロボットの身体性は人とロボットの社会的な関わり合いにとっても重要な意味を備えている.特に,体の接触を伴う人とロボットの触れ合いインタラクションは,人々に様々なメリットをもたらすことが期待できる.
人同士の触れ合いインタラクションに関する研究は,これまでにも多数行われてきている.特に親しい人との触れ合いを行うことで,身体的にも精神的にも様々なメリットがもたらされることが明らかになっている.それらの成果に基づき,ロボット研究者らはロボットの身体的な触れ合いが人同士の触れ合いのように良い効果をもたらすかを検証する取組みを進めている.これまでの研究で,ロボットとの身体的な触れ合いが有効であることが示されつつある.
触れ合えるロボットのコンセプトは既にコンシューマレベルでも着目されており,特にペットロボットではその方向性が顕著である.例えばAIBOやLOVOT,Qooboに代表されるペットロボットは,既に心の癒やしをもたらす役割を担いつつある.触れ合いを通じた癒やしの提供を目的として開発された「かまって『ひろちゃん』」等,赤ちゃん形ロボットの利用も進みつつある(図1).
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