電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
© Copyright IEICE. All rights reserved.
|
グローバル科学社会シリーズ──エジプト編──
小特集 4.
日本・エジプト2国間の研究協力
Research Collaboration between Japan and Egypt
Abstract
長年にわたり,エジプト・日本2国間の研究イノベーション協力プログラムの下,両国の研究資金提供機関によるサポートを受け,数多くの優れたプロジェクトが実施されてきた.協力分野は,電子工学,通信,コンピュータ工学,再生可能エネルギー,医療,宇宙などである.本報告書では,研究協力の例を示す.これらの研究協力には2国間研究プロジェクト,共同会議,ワークショップが含まれ,研究協力のレベルを一層向上させてきた.これにより,研究イノベーション協力も強化されている.また,高等教育機関相互の連携モデルとなるエジプト日本科学技術大学(E-JUST)も設立された.
キーワード:研究協力,パートナシップ,JICA,E-JUST,TICAD7
2017年にエジプト,日本両国の政府間で立ち上げられたエジプト・日本教育パートナシップ(EJEP)プロジェクトには,技術協力とソフトローンという二つの側面がある.EJEPは,日本式の教育を取り入れることでエジプトの若者に力を与え,エジプトの教育システムを向上させることを主な目的としている.日本の安倍首相とエジプトのエルシーシ大統領の強い関心と意欲によって実現したパートナシップである.両首脳は,幼児教育,基礎教育,専門・高等教育といった教育分野,更には,科学的研究,技術革新における協力を重視した.日本政府はエジプト政府に必要な支援を提供することの重要性を認識した.両首脳はパートナシップに基づいて合意した政策措置の実施を確約した.このパートナシップの下,両国政府は以下の分野に重点的に取り組んでいっている(1).
(1)エジプト日本科学技術大学(E-JUST)の設立と発展
(2)技術教育における協力
(3)教師及び指導者の能力強化
(4)日本式の教育を取り入れたモデルスクール
(5)日本に派遣されるエジプト人学生・研修生の人数拡大
(6)学校運営及び学校教育活動の向上
(7)エジプトで体育及び音楽を教科として教えることの奨励
(8)保育園や幼稚園における「遊びを通した学び」の奨励
(9)エジプト・日本教育パートナシップ(EJEP)委員会の運営
日本学術振興会(JSPS)は,自然科学,社会科学,人文科学のあらゆる分野の発展に寄与する目的で設立された日本の独立行政法人である.JSPSは,各学会,研究委員会,その他の科学振興機構との合意や覚書に基づき,日本・エジプト2国間の国際的な科学交流を促進している.これらに対応する相手国機関との間で,主に共同会議,ワークショップ,セミナー,研究プロジェクトの形でプログラムを実施している.日本のJSPSに対応するエジプトの機関はエジプト科学研究省であり,その関連機関であるエジプト科学技術開発財団(STDF)がプログラムを実施する.対象分野としては,自然科学の分野での共同研究プロジェクトに加えて,人文科学,社会科学,自然科学の分野での共同セミナーが含まれている(2).
続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。
電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。
電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード