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ITU-Tでは,2030年におけるネットワークのユースケース,ユースケース実現に向けて必要とされる要件,及び,そのネットワークのアーキテクチャについて議論を行うためのFocus Groupを設立した.この活動は2018年10月から約2年の期間で行われ,2030年に向けてITU-Tとして議論すべき項目の候補を整理して8件の成果文書を作成した.これらの文書は一般に公開されるとともに,ITU-Tの各研究グループに展開することにより標準化への取組について検討を依頼した.本稿では,このグループが作成した成果文書の内容と,今後のITU-Tでの活動について解説する.
キーワード:ITU-T,FG NET-2030,標準化,NewIP,Future Vertical Communication Networks
電気通信サービスに関わる標準化活動を行っているITU-T(用語)において,将来のネットワークに関する検討を行うStudy Group 13(SG13: Future networks, with focus on IMT-2020, cloud computing and trusted network infrastructures)が2018年7月にFocus Group on Technologies for Network 2030(FG NET-2030)(注1)を設立し,2030年を目途としたネットワークのユースケースと要件,及び,要件を満たすための機能に関する検討を開始した.Focus GroupはITU-Tのメンバー以外も参加できる活動であり,この分野に関わる研究機関の関係者や他の標準化団体,フォーラム活動の関係者を招いて議論を行うことができる.議論の結果は成果文書(Deliverables)としてまとめられ,ITU-Tの活動に反映し,勧告(標準化文書)の作成を進めることとなる.本稿では,本活動において議論された結果とITU-T内での展開状況について報告する.
正式名称:
Focus Group on Technologies for Network 2030
議長:
Richard Li氏(Futurewei(注2),米国)
設立時に設定した主な検討項目:
2030年に実現が予想されるユースケース
天文学的なコネクション数の管理
次世代のアプリケーションを実現するための超高速通信,超低遅延技術
信頼できるネットワーク・インフラストラクチャ
人間の安全性とプライバシーを中心に据えたネットワーク機構
活動期間:
2018年10月~2020年7月(7回の会合を実施)
会合の開催形式:
3~4日の日程で会合が開催され,半分はワークショップとして,将来のネットワークに関する研究や調査を行っている研究機関や各種団体からの発表が行われ,残りの半分で成果文書を作成するための寄書について審議が行われた.
体制:
図1に示す三つのグループで成果文書作成のための議論を行った.
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