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5G(第5世代移動通信システム)やBeyond 5Gの時代,ディジタルトランスフォーメーションは更に加速し,あらゆるものがディジタル化され実世界と仮想世界との融合が深く進んでいく.ここでは無線通信技術とサービス/アプリケーションの基盤技術は共進化の関係となり,その両方においてAI技術の果たす役割は大きい.このようなAIによる技術進化について,超大容量の無線通信に向けた電力増幅器の非線形ひずみ補償技術,ネットワーク混雑や競合による品質劣化を自動で回避する学習型通信分析技術,複雑なシステムの設計を迅速に行うための学習型自動設計技術を紹介する.
キーワード:非線形ひずみ補償,学習型自動設計,学習型通信分析
5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスが開始された2020年には,新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大し,人々の生活と社会に甚大な影響を及ぼしている.近い将来,コミュニケーションの進化により,遠くにいる人とリアルな実在感をもって共感し合うことができるようになり,その場にいなくても自由に働いたり,勉強したり,レジャーを楽しんだりすることが期待される.そして家から一歩出れば,ドローンやロボットや車などがそれぞれコミュニケーションしながら自律的に動作し,そこでは事故や渋滞もなく,極めて優れたエネルギー効率にて社会が動いていると期待される.
このような将来の社会像を目指し,NECはBeyond 5Gビジョンホワイトペーパーを発行している(1).5G時代には,通信の対象が人からIoT(Internet of Things)端末へと広がり,超高速/低遅延/多接続な通信インフラに支えられて,ディジタルトランスフォーメーションが拡大している.そして,いわゆるBeyond 5Gや6G時代では,地球上のどこにいても,実世界/仮想世界を問わず,あらゆるものがディジタル化され,コミュニケーションでつながっていくと考えられる.
このような技術進化においては,図1に示すような技術の共進化が重要である.実世界のディジタル化などのサービス/アプリケーションのための基盤技術は,高速大容量や低遅延などの高い通信性能を必要とし,無線通信技術の進化の方向性を示すとともに,その特性や限界に合わせて自らのアルゴリズムも変化してゆく.逆方向についても同様である.このような共進化の関係において,AI(Artificial Intelligence)技術の果たす役割は大きい.
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