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2030年代の社会では,現実世界とサイバー空間がリアルタイムかつダイナミックに調和して動作する新しい社会基盤が構築されることで,様々な社会課題の解決や豊かなライフスタイルの実現が可能になると期待されている.本稿では,KDDI総合研究所が考える2030年のライフスタイル像,及び新しい社会基盤を支える個々のテクノロジーについてKDDI総合研究所の研究開発事例(IoT,AI,XR,ロボティクス)を紹介する.
キーワード:KDDI Accelerate 5.0,IoT,AI,XR,ロボティクス
2030年代の社会や技術はどのように発展しているだろうか? 私たちの暮らしはどうあるべきだろうか? こうした問いへの一つの答えとして内閣府は,経済発展と社会課題の解決を両立する人間中心の社会として「Society 5.0」を提唱している(1).筆者らKDDI総合研究所及びKDDIにおいても,未来社会のあるべき姿の検討を行い,Society 5.0の実現を5Gの通信技術で加速する,次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」を策定した(2).
KDDI Accelerate 5.0とは,生活者一人一人に最適化されたライフスタイルの実現のために,経済メカニズム,社会システムがリアルタイムに連携・調和する2030年代の社会構想である.この社会では,現実のフィジカル空間と仮想のサイバー空間が高度に融合しており,フィジカル空間の課題がサイバー空間で分析される.そして解決策とともにフィジカル空間へフィードバックされ,現実に課題解決が行われる.更にKDDI Accelerate 5.0では,フィジカル空間とサイバー空間の高度な融合を実現する基盤技術として,七つの分野のテクノロジー(ネットワーク,セキュリティ,IoT(Internet of Things),プラットホーム,AI(Artificial Intelligence),XR(Cross Reality: “VR”,“AR”,“MR”などの総称),ロボティクスと,それらをオーケストレーションする技術について研究開発を推進することを言及している.
本稿では,当研究所が考える2030年代のライフスタイル像と,上記七つの分野のテクノロジーの中で特に進展が目覚ましい四つの分野のテクノロジー(IoT,AI,XR,ロボティクス)の研究開発事例を紹介する.2.では,2030年代のライフスタイル像を説明し,3.では四つの分野のテクノロジーの研究開発事例について述べ,最後にまとめを記す.
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