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内閣府が提唱するSociety5.0(超スマート社会)においては,サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたサービスの展開が期待されている.サービスが高度化された場合においてもサービスの提供品質を設計・管理することは非常に重要な取組である.そこで,本稿では,既存の音声や映像サービスに対する品質評価法について概説し,今後発展が期待されるサービスに対する品質評価法の標準化動向について紹介する.
キーワード:主観品質評価法,客観品質評価法,ユーザ体感品質,ITU
内閣府が提唱するSociety5.0(超スマート社会)においては,サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより,経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会を実現することが提唱されている(1).特に,IoT(Internet of Things)で全ての人と‘もの’がつながり,様々な知識や情報が共有され,今までにない新たな価値を生むためには,知識や情報を適切な品質で提供することが重要である.そこで,本稿では,まず,これまで検討されてきた通信サービスの品質評価技術について概説し,次に,品質評価技術の動向について述べ,今後の展望について説明する.
品質評価法は,人間が実際に通信サービスを利用したときに感じる品質を心理実験により評価する主観品質評価法,サービスの実運用フェーズに品質を効率的に定量化するため,測定可能な物理量から品質を推定する客観品質評価法に大別される.特に,人間が体感する品質をユーザ体感品質:QoE(Quality of Experience)と呼び,音声通話,映像配信等のサービスの品質設計,監視,制御を目的に,利用されている.
主観品質評価法では,人間が音や画像の刺激を受け,個々人の主観的判断に基づいて,品質評価を実施してQoEを定量化する.主観品質評価法は,尺度(例:カテゴリー尺度,連続尺度)や評価法(絶対評価,相対評価)によって大別され,表1のように,ITU(International Telecommunication Union)によって多数の勧告が標準化されている.
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