EiC 支部活動の戦略と支部センターオブエクセレンス(CoE)シンポジウムの開催

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Vol.104 No.5 (2021/5) 目次へ

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支部活動の戦略と支部センターオブエクセレンス(CoE)シンポジウムの開催

支部会議議長・副会長  山中直明
支部会議幹事・総務理事 大橋弘美
四国支部・支部長    前田克哉
四国支部・支部会議幹事 山崎敏和

Abstract

 電子情報通信学会には,ソサイエティ及びグループという技術や専門で分かれた,いわゆる縦軸と,地域によって分かれた支部活動,更には海外sectionというグローバルな地域活動の横軸に分かれている.本稿では,支部会議が取り組む学会の活性化に必須な支部活動の中での新しい取組について述べる.具体的には,地域・地方にある小ぶりだがとんがった技術を中心として大学や企業が連携しているものをCoE(Center of Excellence)と呼び,その活動を全国や全世界に広める(アップストリーム活動)を行っている.本稿ではその狙いと実施例を示す.

1.電子情報通信学会構成と支部

 技術の発展,細分化に伴い,ソサイエティ及びグループ(以降,ソサイエティ等と略す)活動は活性化し,一部融合や境界領域の研究が盛んになっている.ソサイエティ等は,研究専門委員会(研究会)や大会,シンポジウム,国際会議等のアカデミック活動の主体として活動する.また他学会等との連携を行うのも主にこのソサイエティ等が行っている.一方,支部活動は職場や大学といったロケーションとしての活動である.このロケーションというクラスタでは,もちろん会員のみでは構成されていない.大学や企業を想像すると,むしろ普段は多くの非会員や非専門家で構成されたコミュニティであり,かつ専門が異なる傾向が強い.支部は主に,例えば学生活動やチュートリアル,子供科学教室といった活動を盛んに行っており,またソサイエティの研究会を誘致,連携,更に支部セミナーといった主に非会員を含む地域メンバーが参加し,学会にある情報の拡散(ここでは,ダウンストリーム活動と呼ぶ)を狙った活動が多く行われている.コストセンターとしての活動も多く,学生やジュニア,更に現役を退いたシニアを含むメンバーには重要な活動となっている.図1に上記に示した学会の活動グループのシステムの概念を示した.

図1 学会の活動グループのシステムの概念

 支部会議としては,図1の地域にある特定のとんがった技術,かつ,地域外のメンバーには得にくい地域クラスタに存在する情報やアクティビティを,支部を中心に全国や全世界に発信する(ここではアップストリームと呼ぶ)ことを期待した.

 これは,地域・地方にあるが,とんがった技術は東京一極集中型の社会構造の中では不利であり,情報発信はしにくい.わざわざ時間と交通費をかけて東京での開催(圧倒的に東京等での開催が多い)に出張で参加するのは,モティベーションが持ちにくいのである.支部活動,つまり地域活動における,地域のとんがった技術をCoE(Center of Excellence)として全国,世界にアップストリームするのが,この支部CoEシンポジウムの基本的戦略である.


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