電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
© Copyright IEICE. All rights reserved.
|
ICTによる農林畜産業への取組――回路とシステムの観点から―
小特集 5.
自律架線集材システムの開発
Development of Automonus Cable Yarding System for Forestry
Abstract
戦後の復興期に乱伐された国内の森林は,国による拡大造林政策により人工林に置き換えられ本格的な利用期を迎えている.その有効活用や国産材の競争力強化の重要性は年々高まっており,国はAIやIoT技術を活用した生産性向上を目的とするスマート林業の推進政策を実施している.本稿は,林野庁による「林業イノベーション推進総合対策のうち省力化機械開発推進対策 先進的な林業機械等の開発・改良事業」を受託したイワフジ工業株式会社が開発中の自律架線集材システムについて紹介し,林業機械におけるIoT/AIの活用事例について述べる.
キーワード:高性能林業機械,架線集材システム,ロージンググラップル,油圧式集材機,深層学習
国内の森林は,戦後の復興に伴う木材需要の高まりによって昭和20年後半から昭和30年代に乱伐され荒廃した.その後に国は拡大造林政策を実施し,主に広葉樹によって構成されていた天然林の伐採跡地に,スギやヒノキ,カラマツ,アカマツなどの成長が早く市場価値の高い針葉樹を植林した.現在,国内の人工林は本格的な利用期を迎えており,その有効活用や国産材の競争力強化の重要性は年々高まっている状況である(1).
これまで国は,高性能林業機械の普及を促進し作業効率の改善を促してきた.高性能林業機械とは,作業の効率化,作業者への負担の軽減,性能が著しく高い林業機械として林野庁が認定している機械装置(図1)である.表1は,各高性能林業機械の名称と役割である.
続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。
電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。
電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード