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解説
製造現場の無線通信トラブルあるある[Ⅲ・完]
――その他のよくある事例――
Examples of Common Mistakes for Wireless Communication in Factories [Ⅲ・Finish]: Other Common Examples
A bstract
IoT活用への期待に伴い,製造現場での無線通信活用の成功事例も多数報告されている.本連載では,製造現場での無線通信の利活用推進を目指す活動の一環として発行した無線通信トラブル対策事例集から,代表的な事例を毎回3件ずつ選出し,紹介する.第3回目の今回は,過去2回でそれぞれ紹介した「他機器からの干渉」や「遮蔽物等の影響」に関するもの以外の“あるある”として,ローミングに関するトラブル(2.),データレートに関するトラブル(3.),そして,マルチホップ通信に関するトラブル(4.)の三つを紹介する.
キーワード:製造現場,IoT,無線通信,トラブル
現実世界の様々な‘もの’をネットワークで接続するIoT(Internet of Things)は,データの収集・蓄積・分析による新たな価値提供を実現する手段として,注目を集めている.製造業は,IoT活用の経済効果が最も大きい分野として期待されている(1).例えば,労働人口や熟練工の不足,多品種少量生産の拡大,製造業のサービス化によるバリューチェーンの変化等への対応に,IoTの活用が有用であると考えられる.
従来,製造現場での機器間の通信には,信頼性や安定性の観点から,有線での通信が用いられてきた.しかし,製造業でのIoT活用への期待に伴い,配線が不要で柔軟な無線通信への期待も高まり,製造現場での無線通信活用の成功事例も多数報告されている(2).一方,製造現場で無線通信に関するトラブルが発生した際,知識や経験の不足から,適切に対処できない事例も散見される.筆者らは,製造現場での無線通信の利活用推進を目指すFFPJ(Flexible Factory Project)(3)の活動の一環として,製造現場の関係者への情報提供を目的とした無線通信トラブル・対策事例集(4)を発行した.
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