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DXとそれを支える技術シリーズ
解説
DXとデータ駆動がもたらす情報通信技術の新たな研究パラダイム
A Data-driven Research Paradigm of Information and Communications Technologies Driven by Digital Transformation
A bstract
DX(ディジタルトランスフォーメーション,ディジタル変革)とは,ディジタル技術とデータの活用により顧客や社会の課題を解決して,新たな価値を創出すること,それによって企業や社会の更なる発展を図ることである.本稿では,DXの意味とそのフレームワークを説明し,DXを支えるディジタルプラットホームに焦点を当てて解説する.更に,ディジタル技術とビッグデータがもたらすデータ駆動科学・工学の展望を述べる.
キーワード:DX,ディジタルトランスフォーメーション,ディジタルツイン,ディジタルプラットホーム,データ駆動科学・工学
DX(ディジタルトランスフォーメーション,ディジタル変革)とはディジタル技術とデータの活用により顧客や社会の課題を解決して新たな価値を創出すること,それによって企業や社会の更なる発展を図ることである(1).DXは手段であり,新たな価値の創出が目的であることに留意願いたい.
図1にDXに至るディジタル技術の活用の3段階を示す.
第1段階はディジタイゼーション(Digitization)である.紙などに記述された物理データをディジタルデータ化することである.DXが発展してきた背景にはWeb上の電子商取引やスマートフォンの普及により,顧客の行動や機器の稼動などのデータが容易に収集されるようになったことがある.しかし,新型コロナ禍により我が国におけるディジタイゼーションの遅れが広く認識された.
第2段階はディジタライゼーション(Digitalization)である.個別の業務や活動をディジタル化することである.新型コロナ禍で急速に広まったテレワーク,遠隔授業,遠隔医療などがあたる.
更に,このディジタライゼーションを組織全体に展開し,かつ,顧客とネットワークで直接つながることにより,DXが推進される.DXにより変革された企業はディジタル企業(Digital Enterprise)と呼ばれる.
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