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ICT標準化解説シリーズ
解説
ISO/IEC JTC1におけるIoT関連標準化動向
Summary on Standardization for IoT and Related Areas in ISO/IEC JTC1
A bstract
IoT及びその関連領域に関するサービス及び技術については国際標準化の場で活発に議論が行われている.本稿では,この中でISO/IEC JTC 1/SC 41について焦点を当てる.ISO/IEC JTC 1/SC 41では,2016年11月の設立以来,IoT及び関連技術について参照アーキテクチャを含めたシステムレベルでの様々な標準を策定してきた.2020年11月には,Digital Twinが新しいワーキンググループとして設置され,活動の範囲を拡大している.この中で,3件の日本起案の標準についても活発な議論が行われている.
キーワード:IoT,ISO/IEC JTC1,SDO,国際標準,システムインテグレーションエンティティ
Internet of Things(IoT)及び関連技術に関する規格は様々な標準化機関で議論されている.その状況については文献(1)等で報告されている.本稿では,これらの中でISO/IEC JTC 1/SC 41に焦点を当て,最新動向を報告する.また,この標準化機関での三つの日本起案の標準規格について紹介する.更に,今後の展望について触れる.本稿は,文献(2)で発表された内容を拡張し踏み込んだ報告とする.
IoTにおける情報通信技術に関する国際標準化は,International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector(ITU-T:国際電気通信連合 国際電気通信標準化局)とISO/IEC JTC 1(International Organization for Standardization(ISO:国際標準化機構)とInternational Electrotechnical Commission(IEC:国際電気標準会議)のJoint Technical Committee(JTC:合同技術委員会))で行われているが,本章ではISO/IEC JTC 1における標準化活動について,その動向を概説する.
ISOとIECは,双方に関連する情報技術についてはJTC 1を設置して標準の開発を行っている.2007年に開催されたJTC 1総会において,韓国の提案によりセンサネットワークに関する標準化について議論した結果,Study Group on Sensor Networks(SGSN)が設置された.SGSNではGap分析(標準化組織間の差異分析)等が行われ,2009年の総会で作業グループ(WG)としてWG 7 on Sensor Networksに改組し,標準化活動が開始された.
これに対してIoTに関しては,2012年のJTC 1総会に,これも韓国からIoTに関する議論を行うためSpecial Working Group(SWG)の設置が提案され,SWG 5 on Internet of Thingsが設置された.SWG 5ではIoTの定義やGap分析等を行い,2014年の総会でWG 10 on Internet of Thingsに改組して,IoTの用語集と参照アーキテクチャの開発から標準化活動が開始された.
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