EiC 電気・電子系高度技術者育成プログラム実施報告

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Vol.104 No.6 (2021/6) 目次へ

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ECE実施報告

EiC

電気・電子系高度技術者育成プログラム実施報告

電気・電子系高度技術者育成ECEプログラム推進委員会

1.は じ め に

 2020年10月からスタートした本教育プログラムは,電子情報通信学会が主催する高度技術者育成プログラムであり,従来のポイント積み上げ型の技術者継続教育(CPD)プログラムと異なり,日本工学会が提示する「実施ガイドライン」(認定基準)を基に設計され,所定の基準を満たすECEプログラム(注1),(1)として認定されたコース制の高度技術者教育プログラムである.折からCOVID-19禍の困難な状況の下でオンライン形式でのスタートではあったが,産業界幹部の御理解と受講技術者の熱心な学習意欲に支えられ,2021年2月までに総計10講座の研修を予定どおり無事終了することができた.本稿ではその概要について報告するとともに,今回の研修を通じて得られた成果と今後の課題を考察する.

2.本プログラム企画の経緯

 現在AI,IoT,ビッグデータなどのDX技術革新に伴って,社会基盤を根底から変えるほどの新たな産業構造変革が世界的に進行している.この新潮流は産業界においては新たなビジネスモデルをもたらすとともに,交通運輸,教育,医療,福祉などの多様な社会システムにおいてもその基本構造の抜本的な再定義を促す力になりつつある.こうした中で,残念ながら我が国の総合的な産業競争力は最新のIMD国際比較(2)によれば34位にまで低下している.その背景には社会的,経済的要因が複雑に絡み合っており,これが直ちに技術力低下によるものとは断言できないが,開発現場におけるベテラン技術者の世代交代や生産現場,開発現場のアンバンドリングなどによる実務技術力の低下については,産業界幹部の懸念材料となりつつある.

 本プログラムはこうした問題意識を共有する学界,産業界の有志の間で,ソフトのみならずハードも含めシステム全体を俯瞰できる実践的技術者を育成する場を作れないかと,数年がかりで検討された技術者継続教育(Continuing Professional Development)プログラムであり,こうしたCPD制度を多くの工学系学協会の間で組織的に運営する日本工学会と連携し,ECEプログラムとして企画・認定されたものである.本プログラムの運営母体は,幹事学会である本会内に組織化された電気・電子系高度技術者育成ECEプログラム推進委員会であり,そのメンバ構成は表1に示すとおりである.


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