小特集 2-2 学習支援サービスの運用とオンデマンド型を中心としたオンライン授業への展開──名古屋大学における事例──

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Vol.104 No.8 (2021/8) 目次へ

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2.開発者側の視点  
――コンピュータを用いた学習支援環境の整備――

小特集 2-2

学習支援サービスの運用とオンデマンド型を中心としたオンライン授業への展開

──名古屋大学における事例──

Operation of Learning Support Services and Their Deployment for Online Courses Centered on the Use of On-demand Materials: Case Study in Nagoya University

戸田智基 大平茂輝 後藤明史 出口大輔 森 健策

戸田智基 正員 名古屋大学情報基盤センター

大平茂輝 正員 名古屋大学情報基盤センター

後藤明史 名古屋大学情報基盤センター

出口大輔 正員 名古屋大学大学院情報学研究科知能システム学専攻

森 健策 正員:フェロー 名古屋大学大学院情報学研究科知能システム学専攻

Tomoki TODA, Shigeki OHIRA, Members, Akifumi GOTO, Nonmember (Information Technology Center, Nagoya University, Nagoya-shi, 464-8601 Japan), Daisuke DEGUCHI, Member, and Kensaku MORI, Fellow (Graduate School of Informatics, Nagoya University, Nagoya-shi, 464-8601 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.104 No.8 pp.862-866 2021年8月

©電子情報通信学会2021

Abstract

 名古屋大学では,2020年2月末頃から,大学教育における新型コロナウイルス対策に関する検討を開始し,学習支援システムNUCTを活用したオンデマンド型を中心としたオンライン授業実施に向けた準備に着手した.春学期の開始を1週間だけ遅らせて,2020年4月17日には全学オンライン授業を開始し,その後,試行錯誤を重ねながら,より良い学びの場の実現を目指した取組みを継続して実施している.これらの事例を基に,名古屋大学における学習支援サービスの運用とオンデマンド型を中心としたオンライン授業への展開について説明する.

キーワード:学習支援サービス運用,オンライン授業,学習支援システム,利用ログ分析

1.は じ め に

 新型コロナウイルスCOVID-19の影響により,2020年度は数多くの大学教育の場においてオンライン授業が実施された.名古屋大学においても例外ではなく,学習管理システム(LMS: Learning Management System)を軸とした学習支援サービスの運用経験を最大限に活用して,2020年度春学期から全学オンライン授業を開始した.試行錯誤のオンライン授業実施ではあったが,学生及び教員の8割がオンライン授業に対して肯定的であるというアンケート結果が得られ,また,LMSのログデータに基づく学習活動分析に着手するなど,より良い学びの場の実現に向けた一歩を踏み出すことができた.

 本稿では,これらの事例を踏まえて,名古屋大学における学習支援サービスの運用とオンライン授業への展開について説明する.2.にて学習支援サービス運用の経緯を述べ,3.にて全学オンライン授業実施に向けた対応事例を述べる.4.では,ログデータに基づくオンライン授業の動向分析と運用改善の一例を紹介する.

2.名古屋大学における学習支援サービスの運用


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