小特集 3-3 有意味学習を支援するための知識構造可視化システム

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.104 No.8 (2021/8) 目次へ

前の記事へ次の記事へ


3.利用者側の視点  
──コンピュータを用いた学習支援技術の活用――

小特集 3-3

有意味学習を支援するための知識構造可視化システム

A Visualization System to Support Meaningful E-book Learning

王 静芸 妻鳥貴彦

王 静芸 ダラム大学コンピュータサイエンス学科

妻鳥貴彦 高知工科大学情報学群

Jingyun WANG, Nonmember (Department of Computer Science, Durham University, Durham, DH1 3LE UK) and Takahiko MENDORI, Nonmember (School of Information, Kochi University of Technology, Kami-shi, 782-8502 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.104 No.8 pp.888-892 2021年8月

©電子情報通信学会2021

Abstract

 学習において知識間の関係の理解を目的とした有意味学習を支援するために,我々は電子教科書の情報を統合し,オントロジー技術を用いて自動的に学習者の知識をマップ構造で表示・操作できる知識構造可視化システムVSSE(Visualization Support System for E-book users)を開発した.VSSEを用いることで,電子教科書に含まれる知識やその関連知識を目次から探すことができる.また,任意の電子教科書の知識を可視化できる受容学習環境だけでなく,学習者の主体的な学びを促進するために,可視化マップの作成に挑戦できる発見学習環境も開発し,その効果を実験で検証した.

キーワード:電子教科書,知識構造可視化,有意味学習,受容学習,発見学習

1.は じ め に

 今日では多様な学習支援システムがあらゆる分野で広く利用されている.例えば,九州大学では学習管理システムMoodleや電子教科書システムBookQなどの学習支援システムが利用されている.しかし,これらのシステムは,有意味学習を促進する機能がないため,学習者自身による知識の枠組み構築の支援ができない.

 “有意味学習”は,学習者は既習の知識間の関係を正しく理解し,更に新たな知識を学習する際にも,新たな知識と既習知識の関係に気づくことで,新たな知識の学習が容易になる(1),(2)

 有意味学習が起こるためには,学習内容そのものが,(a)論理的意味があり,(b)学習者にも学習内容に対して必要な知識があり,かつ,(c)学習者がその知識と学習内容とを関連付けようとするという姿勢が必要になる.このような“有意味学習”を促進するためには,学習支援システムが知識間の全ての関係を記録できる必要がある.そこで我々は,有意味学習を支援するために,オントロジー技術を用いて学習者の知識の枠組みをマップ構造で表示することを提案した(3),(4)


続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。


続きを読む(PDF)   バックナンバーを購入する    入会登録

  

電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。

電子情報通信学会誌 会誌アプリのお知らせ

電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード

  Google Play で手に入れよう

本サイトでは会誌記事の一部を試し読み用として提供しています。