小特集 3. スマートエデュケーション,スマートソサイエティ,スマートワークプレイスにおけるディジタル化――インドネシアと日本でのケーススタディ――

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Vol.104 No.9 (2021/9) 目次へ

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グローバル科学社会シリーズ――インドネシア編――

小特集 3.

スマートエデュケーション,スマートソサイエティ,スマートワークプレイスにおけるディジタル化

――インドネシアと日本でのケーススタディ――

Digitalization in Smart Education, Society, and Workplace: A Case Study in Indonesia and Japan

Cahya Edi Santosa Josaphat Tetuko Sri Sumantyo

Cahya Edi Santosa and Josaphat Tetuko Sri Sumantyo, Members (Center for Environmental Remote Sensing, Chiba University, Chiba-shi, 263-8522 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.104 No.9 pp.965-969 2021年9月

©電子情報通信学会2021

Abstract

 本稿は,Industry 4.0及びSociety 5.0という新しい世界ビジョンに対応するための,教育システム,社会,職場におけるディジタルトランスフォーメーションについて所見を述べたものである.ここに要約した内容は,筆者がインドネシア及び日本で学び,生活し,勤務した経験に基づいて研究したものである.日常生活に関する観察は,筆者の活動範囲や環境条件に基づいたものである.この本稿が革新を起こすための一つの視点を提供することになれば幸いである.

キーワード:Industry 4.0,Society 5.0,スマートエデュケーションシステム,スマートソサイエティ,共同研究

1.は じ め に

 過去数十年間,スマート工場におけるハイテク戦略が公表されてきた.これはIndustry 4.0または「第四次産業革命」と呼ばれている.Industry 4.0はサイバーフィジカルシステム(CPS)を活用したスマートマニュファクチャリングを提唱している.このシステムは,物理世界における全生産プロセスでデータを収集するためのIoTデバイスと接続ネットワークから構成されている.収集されたデータを用いて,ディジタル/サイバー空間にあるAIシステムが生産プロセスを分析し,シミュレートし,最適化する.AIの処理結果は自動的にコントロールシステムに送られ,実世界の最適化に使用される.Industry 4.0の総合ビジョンは,機械学習アルゴリズム,ロボット工学,プログラマブルマシン,リアルタイムデータ取得等のスマートシステムを用いて,生産プロセス,ロジスティクス,品質管理の費用対効果を向上することである(1).現在,Industry 4.0の進化を実現するための概念は何百と存在する.

 日本政府は,Society 5.0と呼ばれるスーパスマート社会を2016年に提唱した.Society 5.0の基本概念は,実世界からデータを収集し,サイバー空間にある統合システムを用いてモデルを作成し,データを意味のある情報に変換し,得られた新知識を実世界に適用することである(2).簡潔に言えば,サイバー空間と実世界を統合して,非常にスマートな統合システムにより新知識を生成し共有することである.Society 5.0実現のための重点項目は,スマート統合システムにおけるデバイス技術,IoT,AI,ビッグデータ解析,リアルタイム処理,サイバーセキュリティの実現であり,Society 5.0のための革新を促すのはデータ,情報,知識の三つを共有することである.複雑なリソースから成るスマート社会で情報と知識を集め,互いに共有するためには,セキュアで高速な接続ネットワークが必要とされる.


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