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機械学習を活用したネットワーク監視・予測・制御技術の最新動向
小特集 2.
モバイルネットワークにおけるAIを用いたオペレーション高度化の取組み
Initiatives to Advanced Network Management Using AI Technics in Mobile Networks
Abstract
モバイルネットワークは5G技術の導入により,人同士の通信手段から様々なサービスを支える社会基盤に発展している.一方,ネットワークのオペレーション業務も多様化により,多くの人的リソースを必要とするが,高度なスキルやノウハウを持つオペレータの確保は課題であり,人手による対応にも限界がある.本稿では,人手を介さず自律的にモバイルネットワークのオペレーションを可能とするゼロタッチオペレーション(ZTO)構想と,実現に向けた取組みとして,標準化活動及びAI/MLを用いたオペレーション高度化検討について紹介する.
キーワード:モバイルネットワーク,ネットワーク制御,自律オペレーション,AI/ML
5G時代ではネットワークスライシングなどの導入に伴い,ネットワークは複雑化・階層化し,ネットワーク運用プロセスも高度化・多様化する必要があり,自動化・自律化されたネットワークを実現することが重要である.
NTTドコモでは,「ゼロタッチオペレーション(ZTO)構想」を立ち上げ,モバイルネットワークの安定運用に欠かせないオペレーションサポートシステム(OSS)の開発を進め,ネットワーク運用の自動化に取り組んでいる(1).
本稿では,ZTOの概要と実現に向けた標準化の取組み,及びAIを活用したネットワーク監視の高度化・効率化の取組みについて説明する.
5Gの導入による高速大容量化や低遅延,多端末接続に対応するため,様々なモバイルネットワーク技術・対応方式の導入が検討されている.これに対し構築・運用の複雑化が想定されており,OSSによる更なるオペレーション効率化が必要となっている.
あわせて,ネットワーク障害や装置故障の予兆検知など,より高度な対応を行い顧客へ快適なモバイルネットワークを継続提供するOSSの取組みが必要である.当社では,「ゼロタッチオペレーション」というコンセプトを掲げ,ネットワークオペレーションの自動化を段階的に進めている.ZTOではオペレーションの単純な自動化だけでなく,従来の装置単位の監視に加えたサービス単位の監視による,顧客体感品質(QoE)の向上も実現する.
ZTOが目指すネットワークオペレーションの自動化は様々な団体で標準化が進められており,標準仕様に基づいたアーキテクチャとすることで,市中の優れた製品を活用しやすくし,安価で迅速なシステムの提供を目指している.ZTOでは,図1に示すようなIntelligence, End-to-End Orchestrator, Service Assuranceを用いたクローズドループオートメーション(用語)により,ネットワーク運用の自動化と効率化を実現する.
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