特集 3. シリコンフォトニクス技術を用いた集積フォトニクスプラットホームの構築

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Vol.105 No.11 (2022/11) 目次へ

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シリコンフォトニクスを用いた光通信素子の研究開発最新動向

特集

     3.

シリコンフォトニクス技術を用いた集積フォトニクスプラットホームの構築

Silicon Photonics Platform for Large-scale Device Integration

堀川 剛

区切り

堀川 剛 正員 東京工業大学工学院電気電子系

Tsuyoshi HORIKAWA, Member (School of Engineering, Tokyo Institute of Technology, Tokyo, 152-8550 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.105 No.11 pp.1299-1306 2022年11月

©電子情報通信学会2022

abstract

 シリコンフォトニクス技術による種々の光機能を大規模光回路に集積するためには,各機能デバイスの設計・プロセス・検証を連携させ,プラットホーム技術として統合する必要がある.我々は,ArF液浸露光などの40nm世代CMOS技術,300mm径SOI,ゲルマニウムエピタキシャル成長装置,光ウェーハプロービングシステムを用いたプロセス制御,及び統合的な設計ライブラリにより,世界最高の低伝搬損導波路,波長確度の高いフィルタ素子,高速変調器・受光器等の再現性の高い集積を可能とするプラットホーム技術を確立した.

キーワード:シリコンフォトニクス,光集積回路,製造技術,光導波路,光変調器,ゲルマニウム受光器,光ウェーハプロービング,プロセスモニタリング

1.は じ め に

 シリコンフォトニクスによる集積フォトニクスチップは,LSIチップと同様にシリコンウェーハ上に形成されるため,既存のシリコン半導体の製造設備を利用でき,低コストのチップ製造が期待できる.光デバイスはデバイス物理やプロセス要求が電子デバイスと大きく異なるため,「既存の光設計技術とLSI製造技術を利用して集積回路を作る」という直線的なアプローチだけでは光デバイスの集積製造には不十分で,LSI技術と光技術が持つ設計・プロセス・検証技術を重層的に融合させた,光集積デバイスを再現性良く製造するためのプラットホーム技術が並行して構築されなければならない.

 こうした課題意識の下,筆者らは,「超低消費電力型光エレクトロニクス実装技術開発」プロジェクトにおいて,集積フォトニクスプラットホームの構築を行った.プロジェクトの多くの先端的な光集積回路(1)(3)の試作実証を遂行したこのプラットホームについて,その特徴と成果を図1に示すような集積プロセス,デバイス評価,及び設計ライブラリという技術テーマごとにまとめる.

図1 集積フォトニクスプラットホーム技術

2.集積プロセス


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