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シリコンフォトニクスを用いた光通信素子の研究開発最新動向
4.
ポリマー光回路を用いた光電コパッケージの研究開発
Development of Co-packaged Optics Using Polymer Optical Waveguide
データセンターやスーパコンピュータに求められる超広帯域な光通信を実現するため,独自の光電コパッケージ技術である光電子集積インタポーザの研究開発を行ってきた.具体的には,特徴的な基盤技術であるシリコンフォトニクスチップ埋込技術や,ポリマー光回路技術,マイクロミラーを用いた光結合技術,光コネクタ技術を開発するとともに,これらにより形成される光回路の高速信号伝送と高温動作を実証してきた.本稿では光電子集積インタポーザとその基盤技術の概要を示すとともに,確立した基盤技術の主な評価結果を報告する.
キーワード:シリコンフォトニクス,光電コパッケージ,マイクロミラー,ポリマー光回路
データセンターや高性能コンピューティングシステムに求められる通信速度は増加の一途をたどっている.大容量信号伝送に適した光通信は,このような通信速度の増大を支える重要な役割を担ってきた.現在,情報処理の心臓部である各種LSI(Large Scale Integration)パッケージからの電気信号は,それが実装されたボードエッジ付近において光信号へと変換されている.しかしながら近年,LSIパッケージからボードエッジまでの電気配線が大容量信号伝送のボトルネックとなりつつある.この問題を解決するため,ボードエッジに実装された光モジュールをよりLSIパッケージに近いボード上,更にはパッケージ内部に実装しようとする試みが活発に行われている.特にパッケージ内部への光モジュール実装技術は光電コパッケージと呼ばれ非常に注目されている(1).NEDO超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発プロジェクトにおいて,筆者らは多モード,及び単一モードポリマー光回路を用いた光電コパッケージ技術に取り組んできた(2),(3).光信号伝送は伝送経路として多モードを使うものと単一モードを使うものに大別することができる.多モードのメリットは,主に要求される位置合わせ精度が低く低コストな実装が可能なことである.しかしながら長距離伝送・小形化・広帯域化に不向きである.一方,単一モードは高い位置合わせ精度が求められるものの,多モードのデメリットを解消することができる.そのため将来の超広帯域光電コパッケージに向けて,単一モード光伝送は必要不可欠と考えられる.本稿では,開発した光電コパッケージ技術の中から,特に単一モードタイプの技術について紹介する.
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