特集 5. フルメッシュ波長ルーチングで接続されたFPGAを搭載した省エネルギー高性能サーバシステム

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Vol.105 No.11 (2022/11) 目次へ

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シリコンフォトニクスを用いた光通信素子の研究開発最新動向

特集

     5.

フルメッシュ波長ルーチングで接続されたFPGAを搭載した省エネルギー高性能サーバシステム

An Energy-saving High-performance Server System with FPGAs Fully Connected by Wavelength Routing

賣野 豊

区切り

賣野 豊 日本電気株式会社アドバンスドネットワーク研究所

Yutaka URINO, Nonmember(Advanced Network Research Laboratories, NEC Corporation, Kawasaki-shi, 211-8666 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.105 No.11 pp.1313-1319 2022年11月

©電子情報通信学会2022

abstract

 シリコンフォトニクスを用いたDWDM対応高帯域密度光送受信モジュール,800Gbit/sのメモリ及びネットワーク帯域幅を持つFPGAカード,波長ルーチングを用いた省エネルギーFPGA間フルメッシュネットワーク,これらのハードウェアに最適化したデータリンク層アーキテクチャOPTWEB及び並列ソーティングアルゴリズムなど,デバイスからアプリケーションまでの協調設計により,省エネルギー高性能サーバシステムを開発し,電気配線サーバと比較して48倍の高速化と98%のエネルギー消費量削減を実証した.

キーワード:シリコンフォトニクス,FPGA,波長ルーチング,サーバ,ソーティング

1.は じ め に

 近年,処理すべきデータ量は指数関数的に増大する一方で,単体CPU(Central Processing Unit)の演算性能の伸びは鈍化している.そのギャップを埋める手段として,多数の計算ノードによる並列分散処理及びアクセラレータを用いたヘテロジニアス計算が普及している.このようなシステムでは,アクセラレータ間の通信性能がシステム全体の性能のボトルネックとなり得る.また,データセンタにおける消費エネルギーの増大も懸念されている.

 そこで我々は,これらの課題を解決するため,各計算ノードにアクセラレータとしてFPGA(Field Programmable Gate Array)が搭載され,FPGA間が波長ルーチングで光接続された省エネルギー高性能なラックスケールサーバシステムを開発した.本サーバシステムの全体像を図1に示す.本システムのハードウェアは,デバイス層の(b)FPGAカード,OSI参照モデルの物理層(第1層)に当たる(e)波長ルーチングネットワーク,システム層の(d)ラックサーバから成る.更に図1には記載していないが,OSI参照モデルのデータリンク層(第2層)としてOPTWEB,及びアプリケーション層として並列分散ソータと合わせて,五つの技術層から成る.次章以降で,各技術層について述べる.

図1 開発したラックスケールサーバシステムの全体像  本システムのハードウェアは,デバイス層の(b)FPGAカード,OSI参照モデルの物理層(第1層)に当たる(e)波長ルーチングネットワーク,システム層の(d)ラックサーバから成る.


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