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シリコンフォトニクスを用いた光通信素子の研究開発最新動向
6.
大容量シリコンフォトニクス集積技術の進展と光電子集積インタポーザへの展開
Progress in Development of Large-capacity Integrated Silicon Photonics Technology and Their Application to Photonics-electronics Integrated Interposers
大容量シリコンフォトニクス集積技術の進展状況と光電子集積インタポーザへの展開について報告する.高密度な大容量伝送が実現可能なコパッケージ型構造に着目し,400Gbit/s光トランシーバを試作し,25Gbit/s×16チャネルのエラーフリー同時動作を実証した.またシリコンフォトニクス光エンジンとCPUをガラス基板に搭載した光電子集積インタポーザを作製し,それを実装した光電子融合サーバボードを試作した.このサーバボードを評価用のサーバシステムに2台装着し,CPU間光インタコネクトにおける100Gbit/s(25Gbit/s×4チャネル)の動作を確認した.
キーワード:シリコンフォトニクス,コパッケージ実装,光電子集積インタポーザ,光電子融合サーバボード
Beyond 5G/6G時代においては自動運転,超リアルな臨場体験,遠隔操作,XRなど,様々なサービスの提供が予想され,集中形から分散形クラウドサービスへの移行が進む.エリア間,データセンター間やデータセンター内などで超低遅延かつ大量のデータの授受が必要となり,これを支える光ネットワークは更なる大容量化が期待される.一方,基幹サーバやHPCシステムにおいては更なる高性能・高機能化に向けて高効率な機能分離(ディスアグリゲーション)が進展し,それらをエンドツーエンドで大容量かつ低遅延につなぐ次世代光インタコネクトが期待されている.
これらの大容量ネットワークやインタコネクトを支える高速トランシーバ技術については伝送装置のフロントパネルに収容する従来のボードエッジ型トランシーバから高密度・大容量かつ低消費電力での伝送が可能となるコパッケージ型のトランシーバへの発展が見込まれている.
CMOS技術をベースとしたシリコンフォトニクス技術は大容量光ネットワークやインタコネクトに必要な高密度大容量かつ低消費電力な光集積技術を提供するキー技術である(1)~(6).
近年,インタコネクトに要求されるデータ速度は1レーン当りで28Gbit/sから56Gbit/sを経て112Gbit/sまで到達している.このような高速伝送においては電気信号の伝送損が無視できなくなり,電気配線の短尺化が不可避となる.消費電力の増加を抑制するためにはCPUのシリアライザ・ディシリアライザ(SERDES)から光トランシーバまでの距離を短くし,従来のボードエッジに装着するQSFPやOSFPといったフォームファクタからボード上に搭載するタイプに変更する必要がある.更にノード当りの伝送容量を10Tbit/s級まで増やすにはSERDESとの距離を大幅に縮小可能なコパッケージ型のトランシーバが必須となる(7)~(11).
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