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シリコンフォトニクスを用いた光通信素子の研究開発最新動向
8.
小形低電力100Gbit/sディジタルコヒーレントトランシーバとデバイス技術の開発
Development for Compact and Low-power 100Gbit/s Digital Coherent Transceiver and Device Technologies
本稿では,100km程度のデータセンター間の100Gイーサネット通信をシンプルに行うことを目的として,ルータやスイッチのNIC(ネットワークインタフェースカード)に装着できるプラガブルタイプの小形低電力100Gbit/sディジタルコヒーレントトランシーバの開発成果について報告する.キーデバイスとなる低消費電力DSP-LSIと各種集積化光デバイスの機能や特性及び,開発を行った複数のプラガブルコヒーレントトランシーバの構成について説明する.
キーワード:データセンター,光トランシーバ,ディジタルコヒーレント,DSP,光デバイス
本稿では筆者らがNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託研究として技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)において2012年度から2016年度にかけて「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」の研究課題の一つとして研究開発を実施した,小形低電力100Gbit/sディジタルコヒーレントトランシーバとそれに適用した各種光デバイスに関する成果を報告する.
図1は2011年頃に本研究開発テーマを企画した際に作成した研究目標の概念図である.当時は,100Gbit/sのディジタルコヒーレント光伝送の技術開発のれい明期で,通信事業者の幹線網や都市内網用途に開発が進められた時期であり,この技術を搭載した光トランシーバ部分の消費電力は100Wを超えていた.筆者らは,CMOS半導体プロセスや光デバイス技術の進展を鑑みて,この技術を発展させてルータのネットワークインタフェースカード(NIC)に直接搭載可能なように100Gbit/sディジタルコヒーレント光トランシーバをA6サイズ(105×148mm)程度まで小形化し,同時に30W程度の消費電力を実現することを企画した.これにより,データセンター間を専用の光伝送装置を介さずにNIC間で直接接続し,光伝送技術の適用領域を拡大・普及させることを開発目標とすることとした.
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