学生/教養のページ 行列ができるE級物語[Ⅰ]――調和均衡――

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行列ができるE級物語[Ⅰ]
――調和均衡――

Matrix Produce Class-E Story[Ⅰ]: Harmonic Balance

大平 孝

大平 孝 正員:フェロー 豊橋技術科学大学未来ビークルシティリサーチセンター

Takashi OHIRA, Fellow (Research Center for Future Vehicle City, Toyohashi University of Technology, Toyohashi-shi, 441-8580 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.105 No.2 pp.156-158 2022年2月

©電子情報通信学会2022


目    次

[Ⅰ]調和均衡(2月号)

[Ⅱ]半円測地線(3月号)

[Ⅲ・完]離底角方程式(4月号)

1.パラダイムシフト

 E級は理論効率100%の電力増幅方式である.これを生かして放送・通信・ワイヤレス電力伝送など高周波分野への実装が望まれる.しかしながらE級は今さほど普及していない.その理由の一つとして動作原理が若手エンジニアに理解されにくいことが挙げられる.トランジスタを方形波スイッチとして飽和動作させるにもかかわらず,滑らかなアナログ正弦波を出力するという巧妙性が非線形的で分かりにくい.そこで本稿では,思い切った視点シフトにより,行列とベクトルでE級動作の解明を試みる.大振幅動作を線形代数で探る?なんと無謀な目論見か…と思いきや,実は極めて明快かつエレガントな物語である.

2.仕組みと働き

 E級増幅の役割は入力された方形波信号に同期した高電力正弦波を出力することである.基本的回路構成を図1に示す(注1).エミッタ接地トランジスタとmathから成る部分が主回路である.チョークコイルmathを通じてコレクタに直流を供給する.簡単のためmathのインダクタンス値は無限大とする.

図1 E級増幅器の回路構成


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