小特集 バイオセンシングデバイスの技術動向 小特集編集にあたって

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Vol.105 No.3 (2022/3) 目次へ

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小特集

バイオセンシングデバイスの技術動向

小特集編集にあたって

編集チームリーダー 德田 崇 竹中 充

 健康・長寿は常に個人と社会の最大の関心事の一つであり,全ての科学技術にとっての自明な応用分野であると言えます.エレクトロニクスも例に漏れず,医療や健康増進のための多様なデバイス・機器・システムが実用化されています.特にセンサ技術・センシングシステムにおいては材料や集積回路技術の進歩とともに新たなアイデアが生まれ,内外において多様な新技術創成の取組みがなされています.本小特集では我が国で活発な研究活動を行う多数のグループの中から,電子情報通信学会の専門分野のみならず隣接分野にわたる興味深い活動を紹介頂くことを企図しました.

 エレクトロニクスによるバイオセンシング技術においては,通常のエレクトロニクス技術の部分と,光や電気化学を利用したセンシングヘッド部をどのように組み合わせて実現されているか,という点が重要です.本小特集ではその組合せのバリエーションについて俯瞰できることを狙い,著者の皆様に御寄稿をお願いしました.

 6件の記事のうち奈良先端科学技術大学院大学,豊橋技術科学大学,東北大学のグループには,独自の集積回路チップ開発として新しいバイオセンシング技術を創出する取組みを紹介頂きました.奈良先端科学技術大学院大学のグループからは集積回路をコアとする生体埋込デバイスについて,豊橋技術科学大学からはオンチップでpHイメージングを行うCMOSセンサ,東北大学からは経爪での脈波測定を実現するセンサシステムオンチップ(SoC)とセンシング技術という,それぞれのグループを代表する技術を詳説頂きました.

 一方で東京医科歯科大学,東京大学,東京理科大学のグループからは,蛍光イメージング,バイオFET,ウェアラブル電気化学センサ・バイオ燃料電池という,特色あるバイオセンシングインタフェースについて解説頂きました.いずれもエレクトロニクスをベースとする生体センシング技術ではありますが,恐らく多くの読者の皆様にとって新鮮な話題であろうと期待します.

 本小特集では,これらの多角的な研究について御紹介することによって,我々の取り扱う電子情報通信技術向けエレクトロニクス技術が着想と工夫次第で多様なバイオセンシング・バイオインタフェース技術に展開できるということを御理解頂くことを目指しました.本小特集が,読者の皆様にとって新しい展開に向けた刺激になることを願っています.

小特集編集チーム

 德田  崇  竹中  充  伊藤 友樹  江口 真史  大島 大輔  河島  整  岸田  亮  藤澤  剛  水谷 浩之  宮田 将司  藪野 正裕 


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