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バイオセンシングデバイスの技術動向
小特集 1.
CMOS技術をベースとした生体埋込エレクトロニクスデバイス
Implantable Electronic Devices Based on CMOS Technologies
Abstract
最近のCMOS技術をベースとした生体埋込エレクトロニクスデバイスの代表例として網膜刺激方式人工視覚を取り上げ,その課題と対応について述べる.まず人工視覚とその一方式である網膜刺激方式について概説する.次に課題である電力供給,チップ保護膜,多極化における課題とその対応について解説を行う.最後に今後の展開について述べる.
キーワード:生体埋込エレクトロニクスデバイス,人工視覚,電気刺激,生体適合性膜
従来CMOS技術を生体内埋込エレクトロニクスデバイスに用いる場合,電解質である生体環境からCMOSチップを保護するため,また生体へ悪影響を及ぼさないために,CMOSチップを金属やセラミックス製のハーメチックケース内に格納し,完全に生体環境から分離することがほとんどである.このハーメチックケースから電気刺激用のリードが伸びて刺激部位まで到達する.図1(a)に示すように,心臓ペースメーカや脳深部刺激装置などが該当する.
しかし,近年,医療デバイスの高度化,高機能化,小形軽量化の要請から,図1(b)に示すようにCMOSチップを格納するハーメチックケースを複数個埋植することや,更に図1(c)のように電極を集積化したCMOSチップをハーメチックケースに格納せず直接生体内に埋植する必要性が生じてきた.本稿ではこのような最近のCMOS技術をベースとした生体埋込エレクトロニクスデバイスの代表例として人工視覚を取り上げ,課題とその対応について述べ,今後の展開について解説を行う.以下まず人工視覚について概観する.
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