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バイオセンシングデバイスの技術動向
小特集 4.
経爪型集積化光電容積脈波計測システムの開発と応用
Development of Trans-nail Integrated Photoplethysmography Monitoring System and Its Versatile Applications
Abstract
世界の先進国では高齢者のADL/QoL(Activities of Daily Living/Quality of Life)低下を抑制することが喫緊の課題となっている.課題解決のためには健康状態を継続的に把握することが有効であり,日常で簡単に使えるヘルスケアデバイスが求められている.光電容積脈波(PPG)は血流と血管情報を含むため,健康維持や疾病の早期発見に有効な生体信号である.本稿は,爪の上に装着してPPGを継続的に計測できる経爪型集積化光電容積脈波計測システムとその応用について述べている.フォトダイオード(PD),LED駆動回路,PPG計測回路を含むICを設計・試作して経爪のPPG計測に成功した.更に,このシステムを,PPGの非脈動成分を利用した多目的コントローラ,及びPPGと心電図(Electrocardiogram, ECG)を組み合わせたカフレス血圧計測に応用できることを明らかにした.
キーワード:光電容積脈波,経爪型,無装着感,多目的コントローラ,カフレス血圧計測
世界の先進国では高齢化が大きな問題となっており,それに伴う多くの課題が顕在化している.高齢者のADL/QoL(Activities of Daily Living/Quality of Life)低下を抑制するためには健康状態を継続的に把握することが有効であり,日常で簡単に使えるヘルスケアデバイスが求められている.また,人の健康維持にとって重要な情報である心拍数(脈波),動脈血酸素飽和度(SpO2),血圧,体温などの生体信号を簡便に常時計測することで,心血管疾病患者の健康観察や高齢者の早期疾病診断ができるようになる.特に,光電容積脈波(Photoplethysmography, PPG)は血流と血管情報を含むため,健康維持や疾病の早期発見に有効な生体信号である(1).一方,現在の脈波,SpO2,血圧などを計測するデバイスは大きいため常時装着しづらく,動作や汗による誤差が避けられない.したがって,日常生活の邪魔にならずに常時計測できる生体信号記録システムを開発することが必要になる.筆者らは爪の上に装着してPPGを継続的にモニタリングできるシステムの開発を進めている.本稿では,経爪型の光電容積脈波計測システムとその応用について最近の研究成果を報告する.
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