ニュース解説 10万スピンコヒーレントイジングマシンを実現──世界最大級の光計算機による大規模組合せ最適化問題の高速な解探索を実証──

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Vol.105 No.3 (2022/3) 目次へ

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10万スピンコヒーレントイジングマシンを実現

――世界最大級の光計算機による大規模組合せ最適化問題の高速な解探索を実証――

 コヒーレントイジングマシン(CIM: Coherent Ising Machine)は,縮退光パラメトリック発振器(DOPO: Degenerate Optical Parametric Oscillator)のネットワークを用いて組合せ最適化問題を解く新しい計算機である.日本電信電話株式会社(NTT)は,情報・システム研究機構国立情報学研究所(NII)と共同で,10万個のDOPOネットワークから成る超大規模CIMの実現に成功した.

 近年,物理現象を用いてディジタルコンピュータが苦手とする特定の問題を効率良く解く計算機の研究が盛んに行われている.特に,システムやネットワークの最適化に関連する組合せ最適化問題を,相互作用するスピン群の理論モデル(イジングモデル)の最低エネルギーを求める問題に変換し,これをスピンの挙動を模擬する物理システムを用いた実験で解く「イジング型計算機」に注目が集められている.


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