解説 製造業DX支援技術と現場4Mデータ解析への適用事例

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 解説 

製造業DX支援技術と現場4Mデータ解析への適用事例

Manufacturing DX Assist Technology and Its Applications to 4M Data Analysis

平井理宇 光野正志 堤 大輔 嶋田 匡 後藤知明

平井理宇 正員 (株)日立製作所研究開発グループ

光野正志 正員 (株)日立製作所研究開発グループ

堤 大輔 (株)日立製作所研究開発グループ

嶋田 匡 後藤知明 (株)日立製作所産業・流通ビジネスユニット

Riu HIRAI, Masashi KONO, Members (Research & Development Group, Hitachi, Ltd., Kokubunji-shi, 185-8601 Japan), Daisuke TSUTSUMI, Nonmember (Research & Development Group, Hitachi, Ltd., Yokohama-shi, 244-0817 Japan), Tasuku SHIMADA, and Tomoaki GOTO, Nonmembers (Industry & Distribution Business Unit, Hitachi, Ltd., Tokyo, 101-0021 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.105 No.4 pp.320-325 2022年4月

©電子情報通信学会2022

A bstract

 近年の働き方をめぐる環境の変化やAI/IoTの技術革新に伴い,様々な産業においてディジタルトランスフォーメーション(DX)の機運が高まっている.特に製造業においてはQCD(Quality, Cost, Delivery)改善,競争力強化など様々な課題を背景にDXへの高い期待が寄せられている.本稿の前半ではDX投資が高まる中,現場に浸透せずに仮説検証にとどまる課題を考察し,その解決手段として有望なエッジコンピューティングとコンテナ管理を活用したDX支援技術について概説する.後半では生産ロスを類推・分析する4Mデータ解析ソリューションを例に本技術を適用し,実際の製造現場で実証した事例について紹介する.

キーワード:製造業DX,4Mデータ解析,エッジコンピューティング,コンテナ管理

1.製造業DXの潮流

 製造業を含む産業全体の生産性向上や競争力強化を目指す技術コンセプト「Industrie 4.0」や未来社会像を示す「Society 5.0」の実現に向けた取組みが国内外で活況である(1),(2).図1にそれら取組みの一例であるCPS(Cyber Physical System)を用いたスマート製造を示す.

図1 CPSを用いたスマート製造  CPSでは,実空間で収集した情報をサイバー空間上で解析し,解析の結果を実空間にフィードバックする.AI/IoT技術,ICT技術の高度化によりCPSは実現される.

 スマート製造では実空間である製造現場に配置された多種多様なセンサ類を用いて,huMan(オペレータ動向や作業姿勢),Machine(工作機械稼動実績),Material(ワークデータ),Method(工程計画,作業順序,工具履歴)など複数の4Mデータを収集・集約する.これら4Mデータのデータ解析の結果に基づき,サイバー空間上で生産計画の見直しや制御プログラムの修正,更に事前検証を行う.検証した結果を製造現場にフィードバックさせることが特徴として挙げられる.


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