ニュース解説 GaNとSiCを一体化したハイブリッドトランジスタを動作実証──回路異常動作時に起こるGaNトランジスタ耐圧破壊の問題を解決──

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Vol.105 No.5 (2022/5) 目次へ

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最近の新聞等で報道された技術情報を深める ニュース解説

◆今月のニュース解説

GaNとSiCを一体化したハイブリッドトランジスタを動作実証

 ――回路異常動作時に起こるGaNトランジスタ耐圧破壊の問題を解決――

 Demonstration of GaN/SiC-based Hybrid Transistor without Destructive Breakdown

ズームレンズ付き単眼カメラを用いた実スケール三次元計測技術

 Absolute Scale 3D Measurement Using Only a Monocular Camera with Zoom Lens

室温で量子輸送可能な2.8nmのカーボンナノチューブトランジスタ

 ――熱・応力誘起らせん構造転移による金属カーボンナノチューブ内半導体ナノチャネルの実現――

 Observation of Quantum Transport at Room Temperature in a 2.8-nanometer Carbon Nanotube Transistor

自然にはない完全異常反射特性を示す140GHz帯メタサーフェス反射板を開発

 ――基地局の増設なしにポスト5G/6G無線通信のエリア拡大を可能に――

 Metasurface Reflectors in 140GHz Band with Perfect Anomalous Reflection Characteristics for 5G/6G Applications

GaNとSiCを一体化したハイブリッドトランジスタを動作実証

――回路異常動作時に起こるGaNトランジスタ耐圧破壊の問題を解決――

 国立研究開発法人産業技術総合研究所の研究チームは,ワイドバンドギャップ半導体である窒化ガリウム(GaN)を用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)と,炭化けい素(SiC)を用いたpnダイオードをモノリシック化した,ハイブリッドトランジスタの作製及び動作実証に世界で初めて成功した(図1).試作したハイブリッドトランジスタは,GaNの特長である低いオン抵抗及びSiCダイオードで実績のある非破壊降伏の両立を実現した.2050年のカーボンニュートラル実現に向けて,電力変換器の更なる高効率・小形化及び高い信頼性が求められている.半導体パワートランジスタは,変換器回路を構成する主要部品であり,損失低減のための低いオン抵抗と高速スイッチング性能が要求される.近年,従来のSiパワートランジスタ(図2(a))に代わる次世代素子として,GaN-HEMT(図2(b))の研究開発が活発化している.GaN-HEMTは,不純物をドーピングしないチャネル構造により,高移動度の二次元電子ガスに通電するため,低いオン抵抗と高速スイッチング動作が得られ,既に低パワー電力変換器の高効率・小形化に貢献している(スマートフォン用ACアダプタ等).


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