小特集 2. 複数局協調型MIMOレーダを用いた多人数生体位置の計測法

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マイクロ波・ミリ波を用いた生体計測の最新動向

小特集 2.

複数局協調型MIMOレーダを用いた多人数生体位置の計測法

A Measurement Method for Multiple Human Body Locations Using Cooperative MIMO Radar

白木信之 本間尚樹 村田健太郎 中山武司 飯塚翔一

白木信之 岩手大学大学院理工学研究科システム創成工学専攻

本間尚樹 正員 岩手大学理工学部システム創成工学科

村田健太郎 正員 岩手大学理工学部システム創成工学科

中山武司 飯塚翔一 パナソニック株式会社くらし事業本部

Nobuyuki SHIRAKI, Nonmember (Graduate School of Science and Engineering, Iwate University, Morioka-shi, 020-8551 Japan), Naoki HONMA, Kentaro MURATA, Members (Faculty of Science and Engineering, Iwate University, Morioka-shi, 020-8551 Japan), Takeshi NAKAYAMA, and Shoichi IIZUKA, Nonmembers (Lifestyle Updates Business Division, Panasonic Corporation, Kadoma-shi, 571-8501 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.105 No.6 pp.483-488 2022年6月

©電子情報通信学会2022

Abstract

 高齢者見守りシステムとしてマイクロ波を用いた生体センシングの需要が高まっている.本稿では,複数局協調型MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)レーダを用いた多人数生体位置の計測法について説明する.測定範囲内の人数が増加するに伴い,アンテナから遠方の対象は近い対象にブロッキングされて死角となる.そこで,複数の送受信局を用いることで対象を複数方向から観測することができ,後方対象のブロッキングを解消し,位置推定精度の向上が期待できる.本稿では,複数局の協調法について説明し,実験により1~8名の場合の位置推定精度の評価結果を示す.

キーワード:MIMOレーダ,複数局,生体位置推定,生体センシング,MUSIC法

1.は じ め に

 近年,高齢者数の増加に伴い,見守りシステムの需要が増加している.見守りシステムは一人暮らしの高齢者の安否確認や高齢者施設での異常検知などに有効である.現在,監視カメラや赤外線センサによる見守りシステムが主流であるが,監視カメラは浴室やトイレ等のプライバシーの空間には使用できず,赤外線センサはある地点を通過することで検知するため常時の見守りには不適である.

 上記の問題を解決する手段としてマイクロ波を用いた生体センシング手法が検討されている.マイクロ波を生体に照射し,生体からの反射波を観測する.反射波から呼吸や心拍による生体表面の変動成分を抽出,解析することで生体の位置や行動等の推定を行う.マイクロ波を用いた生体位置の計測方法として複数アンテナの伝搬時間を推定する手法(1)がよく知られているが周波数枯渇が問題視されている現在では実現が難しい.狭帯域な周波数を用いた生体位置の計測法としてMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)レーダ(用語)を用いた位置推定法が検討されている(2),(3).これはDOD/DOA(Direction of Departure/Direction of Arrival)(用語)を求めることにより生体の位置を推定する.しかし,人数が多くなるとアンテナから対象が重なって見えるため,後方の対象が死角となり,位置を推定することが困難となる.そこでアンテナ局を増加させ,複数方向から対象を観測することで,あるアンテナ局から死角となる対象の観測が可能となる.

 以下,本稿の構成を述べる.2.では,送受信局を複数用いた場合の生体位置推定法を到来波方向推定法の一つであるMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法を用いて算出する手法について述べる.3.では対象が1~8名の場合の位置推定精度を実験により評価した結果を述べる.


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