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6.大会運営・オペレーションセンタ
テクノロジー運営の中核をなすテクノロジーオペレーションセンタ
Technology Operation Centre as the Central Hub of Technology Management
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会において,システム障害だけでなく運用上の課題,セキュリティ攻撃など重大度の高いあらゆるテクノロジーインシデントに対応するテクノロジーオペレーションセンタ(TOC)を開設した.東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は,オリンピック・パラリンピック特有のテクノロジー運営に関与する国内外の関係会社数が多いことに加え,大会史上初めてシステム基盤をパブリッククラウド,プライベートクラウド,オンプレミスのハイブリッド環境において統合運用を行った.本稿では,TOCの基本コンセプトや運用体制,及び運用結果について総括する.
キーワード:24時間運用,ITIL,テクノロジーオペレーションセンタ,COVID-19
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)では,競技会場や関連施設で発生するテクノロジー関連の問題に対処するために,過去の大会と同様にテクノロジーオペレーションセンタ(TOC)を開設した(1).TOCはテクノロジーを運営するための中核となるセンタであり,システム障害,運用上の課題,レピュテーション,セキュリティ攻撃など,あらゆるテクノロジーインシデントやリスクに迅速に,かつ,集中的に対応した.
テクノロジーサービスはネットワーク,情報システム,サイバーセキュリティなどの各サービスが複雑に関係している.インシデントの表層で現れた事象からは一見分からないところに根本原因があったり,複数のインシデントが実は同じ根本原因であったりすることが起こり得る.したがって,インシデント発生時に,各サービスの領域を超えて迅速に影響範囲の特定や根本原因の解決を図ることができるように,全てのサービスのコアスタッフがTOCに常駐するように設計された.
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