小特集 7. 無線ネットワークのオープン化とインテリジェント化

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5G/Beyond 5Gを実現する技術――フロントエンドデバイスから仮想化まで――
【基地局・コアネットワーク】

小特集 7.

無線ネットワークのオープン化とインテリジェント化

Open and Intelligent RAN

大谷未稚 水田信治 大藤義顕

大谷未稚 (株)NTTドコモ無線アクセス開発部

水田信治 正員 (株)NTTドコモ無線アクセス開発部

大藤義顕 (株)NTTドコモ無線アクセス開発部

Miwaka OHTANI, Yoshiaki OFUJI, Nonmembers, and Shinji MIZUTA, Member (Radio Access Network Development Department, NTT DOCOMO, Inc., Yokosuka-shi, 239-8536 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.105 No.8 pp.749-756 2022年8月

©電子情報通信学会2022

Abstract

 5G時代のネットワークでは,従来に比べて多岐にわたるサービスを提供していくことが期待されている.期待に応えていくためには,サービスの要求条件に応じたネットワークを迅速に構築し,複雑化したネットワークを適切に運用する必要がある.このような要件を実現していく上で鍵となるのが,ネットワークのオープン化である.本稿では,「インタフェースのオープン化」,「RANの仮想化」,「RANのインテリジェント化」という三つのオープン化について,標準化を担うO-RAN ALLIANCEの現況,NTTドコモの取組みについて解説する.

キーワード:O-RAN ALLIANCE,オープン化,vRAN,RIC

1.は じ め に

 5G(第5世代移動通信)時代のネットワークでは,高速・大容量だけでなく,超低遅延,高信頼,多数接続など,様々な形の要求条件を含むサービスを提供していくことが期待されている.また,他の産業との連携による新たな産業の創出や地方創生,人手不足など社会的課題の解決への期待も高まっている.これらの期待に応えるためには,様々な最新技術を呼び込み,結合あるいは融合させることが可能なネットワークのオープン化を実現し,新たな価値を生み出すことが重要となる.

 RAN(Radio Access Network)の領域においては,世界の通信事業者を中心に,ネットワークのオープン化を進める業界団体「O-RAN ALLIANCE」にて,主に以下の三つの要素について,標準仕様の作成が進められている(図1).

インタフェースのオープン化

RANの仮想化

RANのインテリジェント化

図1 O-RAN ALLIANCEが狙う三つのオープン化  世界の通信事業者を中心にネットワークのオープン化を進める業界団体「O-RAN ALLIANCE」にて,主に三つの要素について,オープン化を目指した標準仕様の作成が進められている.

 本稿では,これらに関する標準化状況及びNTTドコモとしての取組みについて説明する.

2.O-RAN ALLIANCEにおける標準化状況


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