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5G/Beyond 5Gを実現する技術――フロントエンドデバイスから仮想化まで――
【基地局・コアネットワーク】
小特集 9.
5Gネットワークのエンドツーエンドスライス管理・制御アーキテクチャ
End-to-end 5G Network Slicing Management and Orchestration Architecture
Abstract
5Gの特徴である用途や要件に応じた高性能通信を,効率的に実現するNetwork Slicing(NS)の実用化に向けた検討が進んでいる.NSの管理や運用には,5G無線アクセス,5Gコア,トランスポートの各ネットワークの制御を連携させるクロスドメイン制御と,各ネットワークの自動管理・制御をエンドツーエンド(E2E)に連携させるクローズドループを実現するE2Eオーケストレーション(E2EO)技術の実現が課題となる.本稿ではNSのE2Eの管理・制御を実現するE2EOと,各ネットワークの管理・制御技術を概説し実用化に向けた実証の取組みを紹介する.
キーワード:ネットワークスライス,クロスドメインオーケストレーション,クローズドループ,E2EO
5Gサービスの商用化が進み,近年ではコアネットワーク(CN)にクラウドネイティブ技術を適用した5Gコア(5GC)を用いたスタンドアローン構成のサービスが開始している.また,トランスポートネットワーク(TN)のSDN(Software Defined Network)化,無線アクセスネットワーク(RAN)の仮想化も検討されている.モバイルネットワークはオーケストレータやコントローラ技術を活用したソフトウェアをベースとするアーキテクチャ化が進むため,5Gの高度化である5G Evolutionに向けては,用途や要件に特化したNetwork Slicing(NS)の実用化が期待される.NSでは,ネットワーク全体での通信品質を保証するために,モバイルネットワークを構成するRAN,CN,TNのドメイン横断での管理や制御が必要である.
従来のサービスではハードウェアの装置をベースにネットワークが構成されている.一方,NSでは仮想化されたエンティティによりネットワークが構成される.このため管理対象のエンティティの数や種類がNSの数に比例して増加するため管理や制御の複雑化が予想される.また,NSの要求条件は帯域・遅延・接続端末数など,多様な要件に応じた品質を担保するよう管理や制御する必要がある.このため,NSの管理・制御には高度化や自動化が必要とされ,AIの活用が検討されている.
本稿では,NS管理・制御の高度化・自動化を実現するE2Eオーケストレーション(End-to-end Orchestration, E2EO)を中心としたNSの管理・制御アーキテクチャを説明する.最後に,筆者らがETSI ZSM(注1)にて行っているE2EのNS管理・制御アーキテクチャの技術実証の取組みを紹介する.
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