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2. 通信・無線・放送
観客向けモバイル通信環境の整備
Enhancement of Mobile Communication Environment for Spectators
携帯電話ユーザの増加,スマートフォンを介した情報提供サービスの普及などを受け,特に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会期間中の会場及び会場周辺における携帯電話のふくそう・通信速度低下などのトラブルを抑えるために,二つのモバイル通信環境の整備施策を推進した.一つは携帯通信事業者による携帯通信網の強化・整備,もう一つは施設所有者によるWi-Fi通信環境の整備である.ここではその二つの施策における活動の内容,特に恒常設備の整備努力と実績について総括する.
キーワード:携帯電話,モバイル通信,5G,観客用Wi-Fi,レガシー
スマートフォン等のモバイル端末における高速データ通信は,オリンピック・パラリンピック競技大会を追うごとにその重要性が高まり,観客及び大会関係者にとって必要不可欠なインフラとなってきた.例えば会場での観戦体験では,リプレイなどの動画像視聴(ダウンロード)だけでなく,SNSアプリによる動画・画像を用いた体験共有(アップロード)などが当たり前になっている.
しかしこれまで国内では,大規模な競技大会やイベント時に携帯電話がつながらないことも少なくなく,またモバイル端末の利用が年々増加していることから,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)に向けて大会会場及びその周辺で快適に携帯電話やモバイル端末が使える通信環境を整備することは重要な取組みと捉えていた.
結果的にほぼ無観客での開催となった東京2020大会ではあるが,当初目論見では800万人の観客を見込んでおり,それにボランティアや大会関係者20万人を加えた潜在的な利用者に快適なモバイル通信環境を提供するために,組織委員会は図1のように携帯通信事業者や会場施設所有者へ依頼し,その理解・協力を得て,会場内の観客席やコンコースなどにおける携帯電話通信設備及びWi-Fi通信設備の整備・強化を計画した.
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