特集 3-7 顔認証技術を用いた入場管理システム

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3.情報システム・ディジタルメディア

特集 3-7

顔認証技術を用いた入場管理システム

Advanced Access Control System with Face Recognition Technology

長嶺七海 今泉万寿美 小橋 敦

長嶺七海 今泉万寿美 日本電気株式会社警察・警備第一ソリューション統括部

小橋 敦 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会警備局

NAGAMINE Nanaumi, IMAIZUMI Masumi, Nonmembers, First Public Safety Solutions Department, NEC Corporation, and KOBASHI Atsushi, Nonmember, Security Bureau, The Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games.

電子情報通信学会誌 Vol.105 No.8別冊 pp.934-937 2022年8月

©電子情報通信学会2022

abstract

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では,全競技会場及び選手村,メディアプレスセンタ,国際放送センタの関係者入場口での本人確認の厳格化を目的に,顔認証を用いた入場管理システムを採用した.延べ70万人を超える関係者が登録され,大会期間中延べ400万回を超える照合を行い,99.8%以上の認証率を記録した.

キーワード:顔認証,アクセスコントロール,顔特徴量

1.ま え が き

 従前の大会では,各会場の関係者用入場口において,アクレディテーションカード(用語)に印刷された顔写真の目視による本人確認,及び入場可能エリアを示す記号の目視やバーコード,ICタグによる入場権限確認を行っていた.この方法では,なりすましや券面改ざん等による不正入場を見逃す恐れがあるため,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では顔認証システムによる本人確認とICタグによる入場権限確認を同時に行うAACS(Advanced Access Control System)を導入することとなった.

 本システムでは,アクレディテーションカードにICチップを織り込み,カードの真正性を確保するとともに,その中に格納されたIDにひも付けられた顔情報を用いて,所有者の本人確認を行うことにより,強固なセキュリティを実現している.

 原則全ての関係者に対して,顔認証技術を用いて本人確認を行うのはオリンピック・パラリンピック競技大会史上初めての試みである.


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