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4.イノベーションプロジェクト・イノベーション施策
東京2020大会のイノベーションプロジェクトの総括
Summary of Innovation Projects for the Tokyo 2020 Games
「史上最もイノベーティブで,世界にポジティブな改革をもたらす大会」の実現に向け,三つの視点で施策を企画,実施した.パートナー各社の協力の下,最新技術(VR技術,ロボット,5G)を導入するとともに,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会独自のコンセプトが盛り込まれている.コロナ禍による東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の1年延期のため,規模縮小や部分的に中止となったものもある.しかし,将来のオリンピック・パラリンピックだけでなく,スポーツ発展のために,これら史上初の取組みがレガシーとして引き継がれることを期待している.
キーワード:イノベーション,VR,ロボット,5G,SNS
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)では,ビジョンに掲げた「史上最もイノベーティブで,世界にポジティブな改革をもたらす大会」を実現するために,2017年4月にイノベーション推進室を設立した.最新のテクノロジーの追求にとどまらず,「史上最もイノベーティブな大会」として,社会の変革につながる提案を行い,レガシーとして残すことを目標とした.東京2020大会のイノベーション施策は,イノベーション推進室が中心となった独自の取組みのみならず,組織委員会の他の業務部門やパートナー各社において実施されたものもある.それらを合わせたものが東京2020大会のイノベーティブな取組みとなるが,本稿では,イノベーション推進室が中心となり実施したプロジェクトを中心に述べる.
2017年4月の設立に向けて,イノベーション推進準備室が同年1月に設立された.この際,プロジェクトメンバーの議論により,以下を基本方針として掲げた.
・大会のビジョンやブランドイメージなどと方向性,親和性を確保する.
・組織委員会だけではなく,国,東京都,スポンサー企業,外部団体などと連携する.
・東京2020大会終了後,立案・推進された施策が社会の変革につながることを目指す.
・よりイノベーティブな施策とするために,複数の業務部門を連携させる.
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