特別小特集 画像の高画質変換技術の最新動向 編集にあたって

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Vol.106 No.1 (2023/1) 目次へ

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特別小特集 画像の高画質変換技術の最新動向

編集にあたって

編集チームリーダー 髙村誠之

 画像・映像による実空間や仮想空間でのコミュニケーションやエンターテインメント,AIによる画像認識・解析・処理が大変身近なものとなっています.ここで重要性を増しているのが,劣化画像のひずみを除いたり画像に含まれる雑音を除いたりすることで画質を改善する画像復元・雑音除去技術,表示された画像のユーザ体感品質を定量化する技術,入力された画像を美しく滑らかに呈示するディスプレイ技術,画像を高画質でフォーマット変換(4K→8K変換,国際TV中継装置における欧州(50Hz)⇔日米(60Hz)変換など)するための超解像処理やフレームレート変換技術,画質を保ったままデータ量を大幅に削減する圧縮符号化技術など,画像と画像サービスの品質を高める様々な技術です.本特別小特集では,画像の高画質変換技術の最新動向を各専門家に解説して頂きます.

 第1章では,画像復元における分析・合成システムの役割を中心にその概要,スパースモデリングとの関係,同モデリングにおける事前知識としての信号合成過程の役割,信号合成のための畳込み辞書とその学習,求解アルゴリズム中に現れる分析・合成処理に着目した深層画像事前分布や深層ループ展開との関係とそれらの解釈性,説明可能性について村松正吾氏に解説頂きます.

 第2章では,静止画像の雑音除去法を紹介した後,符号化や解析など動画像処理の性能向上のための前処理として重要であるカラー動画像の雑音除去方法について技術の要点と現在も進化が続いている最新動向を小松隆氏,中村聡氏に解説頂きます.

 本稿で紹介するような映像関連技術の高度化に伴い,より鮮やかでリアリティ性の高い高画質映像サービスが登場しつつあります.第3章では,ユーザが映像視聴時に体感する品質を定量化するための品質評価技術(主観品質評価技術及びメディアレイヤ品質推定技術)について,恵木則次氏,山岸和久氏,増田征貴氏に解説頂きます.

 ディスプレイの大画面化・高精細化が進み,より没入感や再現性の高い高画質なディスプレイが求められています.第4章では,液晶ディスプレイ(LCD)の高コントラスト化に向けた,駆動エリアを細分化するMini-LEDバックライト技術や,TFT-LCDを2枚重ねるデュアルセルLCD技術,高色域化へ向けた有機EL素子等の開発動向,更に近年開発が盛んになっている高輝度・高色域を実現可能なLEDディスプレイの最新動向について,薄井武順氏に解説頂きます.

 映像の国際中継等で4K/8K等の高い画質を維持する上でのキーテクノロジーがフレームレート変換技術ですが,ここで動き補正画像内挿処理をいかに適切に実施するかが重要となっています.第5章ではこの「古くて新しい」画像処理について,最新の技術動向を川田亮一氏に解説頂きます.

 第6章では,最新の映像符号化規格H.266/VVCにより更に効率化される8K映像の伝送において重要となる圧縮率の向上及び符号化装置の複雑度低減に向けた取組みとして,深層学習による映像の高画質化の最新動向,超解像とメタデータを利用した圧縮率向上方法,当該メタデータ伝送に関する標準化動向について,鈴木拓矢氏,猪飼知宏氏,中條健氏,伊藤典男氏に解説頂きます.

 最後に,御多用の中,玉稿執筆の御尽力を頂いた執筆者の皆様に感謝申し上げます.また,編集委員で構成される特別小特集編集チームの皆様から記事校閲に多大な労を賜りました.学会事務局の皆様にも厚く御支援を頂きました.ここに深く感謝申し上げます.

特別小特集編集チーム

 髙村 誠之  安達 宏一  川田 亮一  田中  剛  藤澤  剛 


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