解説 レンズレスマルチピンホールカメラによるプライバシーを配慮した顔認識

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 解説 

レンズレスマルチピンホールカメラによるプライバシーを配慮した顔認識

Privacy-aware Face Recognition with Lensless Multi-pinhole Camera

石井育規 佐藤 智 山下隆義

石井育規 正員 パナソニックホールディングス株式会社テクノロジー本部

佐藤 智 正員 パナソニックホールディングス株式会社テクノロジー本部

山下隆義 正員:シニア会員 中部大学工学部情報工学科

Yasunori ISHII, Satoshi SATO, Members (Technology Division, Panasonic Holdings Corporation, Kadoma-shi, 571-8508 Japan), and Takayoshi YAMASHITA, Senior Member (College of Engineering, Chubu University, Kasugai-shi, 487-0027 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.106 No.1 pp.47-51 2023年1月

©電子情報通信学会2023

A bstract

 高精度な顔照合には高精細な顔画像が必要であるが,プライバシーの保護が難しく,顔画像の撮影と認識精度にはジレンマがある.本稿では,このジレンマを解決するための撮影装置と顔認識手法を紹介する.レンズレスマルチピンホールカメラで多重像を撮影し,プライバシー保護を実現する.プライバシー保護画像から通常画像と同等精度の顔認識を行うprivacy-aware face recognitionを提案する.実験でプライバシー保護画像を用いた性能評価結果を示す.

キーワード:プライバシー保護,顔認識,マルチピンホールカメラ,深層学習

1.は じ め に

 顔認識(1),(2)は,監視カメラや自動入国ゲートなど様々な分野に応用可能なタスクである.顔画像は個人情報のため,プライバシーの配慮が必要である.欧州連合(EU)では,General Data Protection Regulation(GDPR)により,顔画像を含む個人情報の保護を強化している.

 プライバシー保護のために,Nodariら(3)は,画像中の顔をぼかす方法を提案している.Padilla-Lópezら(4)は,顔領域をプライバシーの問題がない公開画像に置き換える方法を提案している.これらは,撮影済み画像をプライバシー保護する方法であるため,処理前の画像のプライバシーは保護されておらず,ハッキングされた場合,プライバシーが侵害されてしまう.

 プライバシー保護の別の観点として,符号化開口カメラ(5)を使う方法が考えられる.このカメラは,撮影時に画像を光学的にぼかすため,プライバシー保護が可能である.一方で,ぼけた画像からの顔認識は困難である.我々は,プライバシー保護を優先し,符号化開口カメラの考え方に着目して,開口部にピンホールを複数備えたマルチピンホールカメラ(MPC)を提案する.通常のカメラで撮影した画像をぼけなし画像と呼び,MPCで撮影した画像をプライバシー保護画像と呼ぶ.


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