小特集 2-3 大学教育の中での電子工作について

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Vol.106 No.4 (2023/4) 目次へ

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「今,だからこそ!」電子工作のすすめ――未来の技術者を育てる電子工作ブームを再び――
2. 教育における電子工作

小特集 2-3

大学教育の中での電子工作について

Electronics Work in University Education

有村光晴

有村光晴 正員:シニア会員 湘南工科大学工学部コンピュータ応用学科

Mitsuharu ARIMURA, Senior Member (Faculty of Engineering, Shonan Institute of Technology, Fujisawa-shi, 251-8511 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.106 No.4 pp.288-291 2023年4月

©電子情報通信学会2023

Abstract

 本稿では,大学の実習授業や卒業研究などの中で指導してきた,電子工作に関する教育の実例を紹介する.具体的には,チームプロジェクトラーニングと呼ばれる授業の中で作成してきたArduinoやRaspberry Piを用いた実際に形になる電子工作や,真空管アンプ,ギターのエフェクタの制作などの例を紹介する.学生のやる気を引き出すため,学生の趣味と実習内容をつなげることや,学生の興味を引く際のこつなどについて述べる.また,具体的なものを見せて学生に完成形をイメージさせることの重要性を述べる.

キーワード:電子工作,真空管アンプ,Arduino,実習授業

1.本学科での教育

 本章ではまず,筆者の勤めている学科における現在のカリキュラム及び電子工作について述べる.

1.1 チームプロジェクトラーニング(TPL)という授業

 筆者の勤めている湘南工科大学コンピュータ応用学科においては,2年次及び3年次でチームプロジェクトラーニング(以下,TPL)と呼ばれる授業があり,4年次では卒業研究がある.ここでTPLという授業は,卒業研究と同じように各教員に配属されてグループで活動を行う.現在は,1年次の後学期にTPL概論という授業があり,そこで各プロジェクトの紹介を行った後,2年次の前学期から各プロジェクトに配属される.3年次の前学期が終わった時点でチームプロジェクトラーニングの発表会を実施し,そこで3年次の後学期及び卒業研究への配属変更を行っている.

1.2 TPLでのテーマ選択について

 TPLでのテーマは教員が提示して,そのテーマに沿って活動したい学生を募集する場合もあれば,学生が集まった後で各学生によって活動テーマを教員と学生との間で話し合って決める場合もある.教員が事前にテーマを提示している場合には,卒業研究につながるテーマを提示する場合もあり,一方でTPLと卒業研究では全く関係ないテーマを提示している場合もある.最近は,TPLと卒業研究で配属を変更しない学生が増えてきているため,TPLと卒業研究でテーマを変更しない教員が増えてきている.

1.3 筆者のTPL及び卒業研究でのテーマの概要


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