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Beyond 5Gや6Gの時代に,通信ネットワークを海や空,宇宙などにグローバルに,また三次元的に拡張するため,非地上系ネットワーク(NTN: Non-terrestrial Networks)が注目され,研究開発や実用化に向けた活動が国内外で進展している.NTNの適用に当たり,地上系ネットワークとの性能差に起因する課題解決のために電波技術,ディジタル化技術,光技術,ネットワーク技術がキーとなる.Beyond 5G/6Gの時代には通信エリアが拡大して,二次元から三次元へ拡張され新たな通信サービスが実現し,SDGs等の地球規模の社会課題の解決に柔軟に対応することが期待される.
キーワード:非地上系ネットワーク,ネットワーク制御,光通信,ディジタル化,高速大容量化
これまで地上系ネットワーク(TN: Terrestrial Networks)の移動通信システムでは,主として携帯電話が二次元の面状に拡大されてきた.現在,第5世代移動通信システム(5G)の普及が進む中,より無線通信の発展に向けてBeyond 5G(B5G)や第6世代移動通信システム(6G)と呼ばれる次のシステムの議論が始まっている.一方,非地上系ネットワーク(NTN: Non-terrestrial Networks)は,衛星通信を主として発展してきたと考えられ,ハイスループット衛星(HTS: High Throughput Satellite)の高機能化や衛星コンステレーションの計画などが高度化・活発化している.これまで,TNとNTNは,それぞれ独立して発展してきたと考えられるが,今後,B5G/6Gのネットワークは,図1のようにドローン(無人航空機),高高度プラットホーム(HAPs: High Altitude Platforms),非静止衛星のような高度や通信特性がそれぞれ異なるプラットホームの登場により,二次元から三次元へ拡張された新たなネットワークサービスが期待される.そこには地上と空中や宇宙,更には海上・海中・水中をシームレスにつなぐ高度な情報通信ネットワークが必要となり,その実現に向けた技術開発が期待されている(1).
本稿では,NTNの現状と適用技術,B5G/6G時代におけるネットワークの将来像について論じる.まず,2.で国内外におけるNTNの研究開発動向について概観する.その上で,3.でNTNの適用においてキーとなる通信技術を紹介する.更に,4.でB5G/6Gの超スマート社会におけるNTNを活用したネットワークの将来像を述べる.5.で本稿をまとめる.
近年,NTNの開発が進む背景には,ネットワーク技術や新たなプラットホームの登場など,様々な技術の進展がある.2.では,上記の観点から国内外におけるNTNの研究開発動向について概観する.
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