小特集 4. VR技術のメタバースへの応用

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接近するバーチャルとリアル――メタバース・ディジタルツインの現在と未来――

小特集 4.

VR技術のメタバースへの応用

Virtual Reality Technology Used in Metaverse

小玉 亮

小玉 亮 (株)豊田中央研究所ヒューマンサイエンス研究領域

Ryo KODAMA, Nonmember (Human Science Research-Domain, Toyota Central R&D Labs., Inc., Nagakute-shi, 480-1192 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.106 No.8 pp.717-722 2023年8月

©電子情報通信学会2023

Abstract

 近年,オンラインで社会的活動ができるディジタルな生活空間「メタバース」に関心が寄せられている.本稿ではメタバース実現に必要な技術の一つであるバーチャルリアリティ(VR: Virtual Reality)技術について解説する.VR分野に初めて触れる読者もいることを想定し,はじめにVRの概念に触れ,どのような特徴を持つシステムであるかを説明する.その後,萌芽的なメタバースであるソーシャルVRに取り込まれているVR技術について紹介する.最後にメタバースでの体験を豊かにするために,筆者が実装を期待する技術について述べる.

キーワード:メタバース,バーチャルリアリティ,HMD,トラッキングシステム,立体音響

1.は じ め に

 メタバースとは「オンラインで社会的活動ができるディジタルな生活空間」を指す言葉である.実現のためには,様々な技術の統合や法整備などが必要なため,言葉どおりのメタバースの誕生はまだ多くの時間を要すると考えられる.一方で必要最小限の機能が実装された萌芽的なメタバースは,既に一般ユーザが日常的に利用できるところまで実用化が進んでいる.

 本稿ではメタバース実現に必要な技術の一つであるバーチャルリアリティ(VR: Virtual Reality)技術について解説する.VR技術とは「人工的に現実空間と変わらない環境を作る技術」のことで,実施にコストのかかる航空機の訓練用シミュレータなどに活用されてきた.メタバースにおいては,ディジタル空間での生活に現実感を持たせることに応用される.

 はじめにVRの概念について説明し,次に萌芽的なメタバースであるソーシャルVRで活用されているVR技術について紹介する.最後にメタバースでの体験を豊かにするために実装を期待する技術について私見を交えながら述べてみたい.


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