小特集 3. A-RoFを活用した高周波数帯分散アンテナ

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セルフリー通信技術の最新動向

小特集 3.

A-RoFを活用した高周波数帯分散アンテナ

Distributed Antenna Technology Using Analog RoF Transmission

北 直樹 山本泰義 髙橋雄太 内田大誠 俊長秀紀

北 直樹 正員:シニア会員 日本電信電話株式会社NTTアクセスサービスシステム研究所

山本泰義 正員 日本電信電話株式会社NTTアクセスサービスシステム研究所

髙橋雄太 正員 日本電信電話株式会社NTTアクセスサービスシステム研究所

内田大誠 正員 日本電信電話株式会社NTTアクセスサービスシステム研究所

俊長秀紀 正員 日本電信電話株式会社NTTアクセスサービスシステム研究所

Naoki KITA, Senior Member, Yasuyoshi YAMAMOTO, Yuuta TAKAHASHI, Daisei UCHIDA, and Hideki TOSHINAGA, Members (NTT Access Network Service System Laboratories, NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION, Yokosuka-shi, 239-0847 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.106 No.9 pp.802-807 2023年9月

©電子情報通信学会2023

Abstract

 6Gでは周波数リソースの潤沢なミリ波やテラヘルツ波等の高周波数帯の利用が考えられるが,伝搬損や遮蔽損の増大のため,無線基地局を高密度に展開する必要がある.そこで,A-RoF(Analog Radio-over-Fiber)を活用して簡易な張出アンテナ装置(RRU)を実現することにより,これらを無線基地局の代わりに多数張り出す,高周波数帯分散アンテナシステムの検討を進めている.本稿では,これらシステムの課題について述べ,その課題解決として取り組んでいる遠隔ビーム制御手法について概説する.

キーワード:A-RoF,高周波数帯,分散アンテナ,遠隔ビーム制御

1.は じ め に

 6Gでは無線アクセスのより高速・大容量化の実現のために,周波数リソースの潤沢な,ミリ波帯やテラヘルツ波帯等の高周波数帯の利用が検討されている(1),(2).このような高周波数帯では広い帯域が利用できる一方で,大きな伝搬損を被るために,一つの基地局がカバーできる無線エリアが小さくなるだけでなく,大きな伝搬損を補うために,基地局側アンテナ,端末側アンテナの双方に高利得・狭指向性のビームを持つものを用いることが考えられる.この場合,送受信点間が人体によって遮蔽された程度であっても,大きな遮蔽損を被ることになる.これらを解決するため,高密度に多数のアンテナや中継装置を配置することによって,任意の場所に偏在する端末に対して伝搬経路を複数確保することを目的とした新たな無線ネットワークトポロジー(New Radio Network Topology)の検討が進められている(3),(4).多くのアンテナを張り出すこのようなネットワークは,セルフリー通信を実現するためにも必要となる無線インフラであると言える.

 それらの検討の一つとして,Analog Radio-over-Fiber(A-RoF)を活用した張出アンテナ技術がある.A-RoFを用いた張出アンテナ技術は過去から多くの検討がなされてきたが,現在,6Gで議論されているミリ波帯やサブテラヘルツ波帯における有効性と,併せてA-RoFシステムの高い周波数利用効率や低消費電力性に再び注目が集まっている(5)(7)


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