解説 Webexの未来――テクノロジーがもたらす生産性とコラボレーション――

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Vol.107 No.1 (2024/1) 目次へ

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 解説 

Webexの未来

――テクノロジーがもたらす生産性とコラボレーション――

The Future of Webex:Innovative Technologies for Enhanced Productivity and Collaboration

銭 昆

銭 昆 シスコシステムズ合同会社コラボレーション事業部

Kon SEN, Nonmember (Collaboration Architecture, Cisco Systems G.K, Tokyo, 107-6227 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.106 No.1 pp.60-67 2024年1月

©2024電子情報通信学会

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 近年,Web会議の導入が急速に進行しており,特に新型コロナウイルス感染症の拡大や働き方改革の影響を受けてその重要性が増している.本稿では,Cisco Systems社の「Webex」において,その音声及び映像伝送技術,AIを活用した音声認識,自動翻訳,雑音キャンセリングの機能とその背後の技術について詳細に解説する.更に,Webexのセキュリティ対策や今後の技術的進化の展望についても触れる.特に,AI技術の進化によって,より高度なコミュニケーションが可能となりつつあり,その影響と可能性についても考察する.

キーワード:Web会議,セキュリティ,ネットワーク,映像音声

1.は じ め に

 Web会議は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)以降の社会においてビジネスで使用するコミュニケーションツールとしてだけでなく,様々な場面で重要な役割を果たすようになった.このような環境の変化に伴い,Web会議に求められる機能がいる.本稿では,当社が提供するコミュニケーションツールWebexを中心に現代で求められている役割とこれからの技術的展望について紹介する.

 近年,ビジネス環境ではハイブリッドワークの導入に向けた取組みが進んでおり,Webexもそれに合わせて変化を遂げている.ハイブリッドワークとは,オフィス勤務とリモートワークを柔軟に組み合わせる働き方であり,人々のライフスタイルの変化に合わせた柔軟な働き方が求められている現代において注目を集めている.これからの10年は引き続き,Web会議を中心としたコミュニケーションツールが重要な役割を担うことが予想されている.Web会議は,リモートワークの定着に伴いビジネスの必需ツールとなり,国境を越えたビジネスを行うことが増えるにつれて,どこからでもリアルタイムにコミュニケーションが可能なWeb会議がますます重要な役割を果たすようになると考えられる.

 しかし,一方で,Web会議が増加することによって,参加者の疲労やストレスが増大する可能性が指摘されている.一般論として,ある活動に対するメリットとコストのバランスがコストの方に傾くと,疲労が生じる.具体的にはビデオに遅延が生じ,音声とビデオが同期していないなどの状況が発生する状況ではコストがメリットを上回るため,疲労を感じやすくなる.

 Webexの目指すゴールは,使用するデバイスや場所を問わず,シンプルなユーザエクスペリエンスを実現し,対面よりも10倍優れたエクスペリエンスを提供することである.こういった背景を踏まえ,より良いコミュニケーションを実現するために様々な開発が行われており,本稿では技術的変化と今後の展望について述べる.

2.Webexの技術的進化

 WebexをはじめとするWeb会議ツールにおいてはかねてより低遅延,高画質での映像伝送が求められている.2000年代ではSD画質が主に使用されていたが,昨今ではFull HD解像度や4Kが使用されるようになっている.しかし,解像度の増加に伴いWeb会議で使用する帯域も増加するため各社様々な技術を開発している.ここではリアルタイム性が求められるWeb会議において高画質,低遅延を実現するために現在Webexで使用されている主な技術について紹介する.


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