小特集 自動運転を支える情報通信技術の最新動向 小特集編集にあたって

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.107 No.2 (2024/2) 目次へ

前の記事へ次の記事へ


小特集

自動運転を支える情報通信技術の最新動向

小特集編集にあたって

編集チームリーダー 松本 敦

 自動車業界はCASE(Connected, Autonomous, Shared and Services, Electric)に代表される様々な技術革新によって,100年に一度の大変革期を迎えている.中でも自動運転技術は,交通事故の減少,渋滞減少に伴うエネルギー削減,無人化による輸送コスト削減など,多くの社会問題の解決を可能とする夢の技術である.1921年,(自動運転ではないが)無線操縦での無人自動車が世界で初めて実証され,1939年に初めて自動運転のコンセプトが登場した.自動運転の研究は1950年代から始まり,1959年に世界で初めて,路面に埋め込んだ電磁誘導ケーブルを車のセンサが読み取って,ステアリング操作をする路車協調方式での自動運転が実証された.それから60年の時を経て,様々な最新技術を結集することで,近年ようやくレベル4以上の本格的な自動運転時代の幕が開けようとしている.

 自動運転は,従来ドライバにより行われた「認知」,「判断」,「制御」に関する各動作をシステムが代替することで実現される.具体的には,自動車に搭載されたセンサやV2X(Vehicle-to-Everything)技術を用いて周囲の状況を認識し,高精細3Dマップや衛星測位システム等をベースに自車位置を把握しながら,AIが行動を判断し制御命令を下すことで自動走行が可能となる.

 本小特集では,これら自動運転を支える様々なセンシング技術・情報通信技術に焦点を当て最新技術動向について解説する.

 1章では,2030年代にレベル5の完全自動運転を実現するという目標には,センサやネットワーク,EMC等の様々な技術の開発が要求されているが,この実現に向けた研究開発についてこれまでの歴史を振り返りながら技術課題の整理を行い,自動運転社会で実現するサービスや法規制とその課題,また将来展望等を俯瞰的に概説して頂いている.

 2章では,5GAA(The 5G Automotive Association)/3GPPで議論がされている次世代通信Beyond 5G/6Gの自動車と周囲との通信を行うコネクテッド技術(V2X)への適用について,様々なユースケースやその最新の技術標準化動向について解説して頂いている.

 3章では,ミリ波レーダ,ライダ,単眼カメラ,ステレオカメラ等を用いた自車の位置推定,他交通環境との相対位置関係の推定,そして障害物検知といった,いわば自動運転車における目として欠かせない自律型外界認識センサについての最新動向とアセスメント等を解説して頂いている.

 4章では,車載ネットワーク構成や車載通信規格のこれまでの変遷や完全自動運転に向けた最新動向について俯瞰し,また石英系光ファイバを利用した大容量・低遅延な新たな車載光ネットワークの最新の研究について,その特徴や将来展望について紹介・解説して頂いている.

 5章では,車載電気電子機器のみならず,パワエレ機器など高雑音環境下における車載ネットワークや情報通信等についても高い信頼性や完全性を確保するために必要不可欠なEMC設計評価技術の概要と最近の国際標準化動向について解説して頂いている.

 最後に御多忙な中,本小特集の原稿を執筆して頂いた著者の皆様,編集に携わった小特集編集チーム及び学会事務局の皆様にこの場を借りて深く感謝致します.

小特集編集チーム

 松本  敦   中川 雅弘   青山 哲也   伊神 皓生   金ミンソク   丸田 一輝   宮下 真行 


オープンアクセス以外の記事を読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。


続きを読む(PDF)   バックナンバーを購入する    入会登録

  

電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。

電子情報通信学会誌 会誌アプリのお知らせ

電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード

  Google Play で手に入れよう

本サイトでは会誌記事の一部を試し読み用として提供しています。